フィンランド式サウナvs.遠赤外線サウナ:魅力と最適な活用法は?

現代は空前のサウナブームと言われています!都内の有名なサウナ施設やスパなどはいつも人でいっぱいですよね。

ところで意外に知られていないのがサウナの種類。サウナには熱気式サウナ(ドライサウナ、フィンランド式)、遠赤外線サウナ、ミストサウナやスチームサウナなどがあるのは御存知でしょうか?

今回はその中でも特に人気が高いフィンランド式サウナと遠赤外線サウナにスポットを当てて、2つのサウナのメリットやデメリット、有効な活用シーンも探っていきたいと思います。

目次

フィンランド式サウナとは?

仕組み

フィンランド式サウナのしくみ

熱気式サウナの仕組みの対流式とは、サウナストーブから温められた空気が循環して身体を温める方式です。フィンランド式サウナとも呼ばれ、日本でも多く利用されるようになりました。

ストーブが熱源となる

サウナストーブの中に置かれた「サウナストーン」が加熱されて高温になります。

サウナストーンに水をかける(ロウリュ)と、水蒸気が発生し、湿度が上昇します。

対流の発生

熱は空気を暖め、暖められた空気は上へ上へと移動します。

その結果、天井付近は高温になり、床付近は比較的温度が低くなります。

温かい空気が全身を包み込む

座る位置によって受ける熱の強さも変わります(上段のほうが熱い)。

空気が対流することで、じわじわと身体を温めていきます。

汗をかく流れ

STEP
空気を温める

給気口から取り込んだ空気をサウナストーブで温める

STEP
排気口から温かな空気

温められた空気が排気口から抜ける

STEP
室内が温まる

風の流れによって室内が早く温まる

STEP
汗をかく

温められた空気が肌の表面に伝わり汗をかく

熱気式サウナには2種類ある

ここで疑問に思う方もいるかもしれません。そう、熱気式サウナにはいわゆるドライサウナとフィンランド発祥のフィンランド式サウナがあることです。それでは簡単に違いについて見ていきましょう!

フィンランド式とドライサウナの違い

フィンランド式サウナは、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」が特徴です。ロウリュで湿度が高まり、体感温度が上昇してぐんぐん発汗されるのが最高なんですよね。

フィンランドでは、サウナは家族や友人とおしゃべりをしながら楽しむコミュニケーションの場として親しまれてきました。そのため、居心地の良い低温多湿のサウナがスタンダードなのです。

一方、ドライサウナは温度が高いため、一気に発汗したい人には向いていますが、熱いのが苦手な人や高齢者、子どもにとっては負担が大きく感じられることがあります。

特徴・種類フィンランド式サウナドライサウナ
室温60~80℃ほど80~100℃ほど
湿度20~30%ほど5~10%ほど
発汗のしくみロウリュで湿度を上げて発汗高温で発汗を促す
特徴身体を芯から温められる短時間で汗をかきたい人向け
フィンランド式サウナとドライサウナの違い

メリット

フィンランド式とドライサウナの違いを確認したところで、今度はフィンランド式サウナのメリットについて見ていきましょう。

発汗作用が強く、デトックス効果が高い

ロウリュがフィンランド式の特徴

熱気式サウナは、一般的に60〜80℃の高温になり、さらにロウリュ(サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させること)を行うことで発汗が促されます。

フィンランド式は、湿度も高いため発汗作用が強めで、汗が流れやすくなるのが特徴といえるでしょう。

さらに汗とともに体内の老廃物や余分な水分が排出されるため、デトックス効果として、むくみの解消や美肌改善も期待できます。血行も良くなるので、新陳代謝が活発になって、健康づくりに役立つでしょう!

湿度が高いため、呼吸がしやすい

フィンランド式サウナの最大の特徴は、湿度が高い(20〜30%程度)ことです。

乾燥したサウナ(例えば遠赤外線サウナ)では、空気が乾燥していて喉や鼻がカラカラになりやすいですが、熱気式サウナでは湿度が高いため、呼吸がしやすく、負担が少ないのがメリットです。

また、ロウリュによる蒸気が空気中のホコリを抑え、清潔な環境を作るため、気管支が弱い人や初心者でも快適に楽しめることが特徴です。さらに、アロマを使ったロウリュを行う施設もあり、リラックス効果が高まるのもポイントです!

「ととのう」体験ができる

サウナ愛好家の間でよく話題になる、「ととのう」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは、サウナ→水風呂→休憩を繰り返すことで得られる深いリラックス状態のことを指します。

熱気式サウナでは、発汗作用が高いため体温調節機能が活性化し、水風呂との温度差で自律神経が刺激されます。その後の休憩(外気浴)で、全身に血液が巡り、心地よいリラックス感と爽快感を得られるのが「ととのう」状態です。

特に熱気式サウナでは、湿度があるため無理なく長時間入れるため、初心者でも「ととのう」体験をしやすいのがポイント!リラックス効果が高まり、ストレス解消や睡眠の質向上にもつながるでしょう。

STEP
サウナ

発汗で体温調節機能が活性化する

STEP
水風呂

サウナとの温度差で自律神経が刺激される

STEP
休憩(外気浴)

全身に血液が巡り、爽快感が得られる

デメリット

初心者や高血圧の人には負担が大きい

熱気式サウナは、ロウリュによって湿度が高くなり、体感温度が非常に高く感じられます

そのため、初心者や高血圧の方にとっては、急激な体温上昇や血圧の変動を引き起こしやすく、体に大きな負担がかかることがあります。

特に、サウナに慣れていない人は「息苦しさ」や「めまい」を感じることがあります。無理をすると脱水症状や立ちくらみを引き起こすリスクも高まるかもしれませんね……。

遠赤外線サウナとは?

遠赤外線サウナ

仕組み

遠赤外線サウナのしくみ

遠赤外線の放射

ヒーターから遠赤外線という電磁波が出ます。この遠赤外線は、目には見えませんが、熱エネルギーを持っています。

物質に吸収される

遠赤外線が人体や物体に当たると、そのエネルギーが直接吸収され、物質の分子を振動させます。この振動が熱を生み、体の内部から温まる仕組みになっています。

空気を介さないので効率的

一般的なエアコンやストーブは、まず空気を温めることで体を暖かくしますよね。

でも、遠赤外線ヒーターは空気ではなく直接体や物を温めるため、寒い環境でもすぐに温かさを感じやすいのが特徴です。

メリット

比較的低温なので長時間入れる

遠赤外線サウナは、一般的な熱気式サウナに比べて温度が低めに設定されています。これは、遠赤外線が皮膚の表面の汗腺だけでなく、体の奥深くの皮脂腺まで浸透することで、内側から温める性質を持っているからです。

そのため、高温の熱気にさらされる通常のサウナよりも身体への負担が少ないのが大きな特徴です。

じんわりと汗をかきながら長時間ゆったりと入ることができますね。サウナ初心者や、高温が苦手な方でも入りやすいでしょう。

血流促進やリラックス効果が高い

遠赤外線は、体の深部に作用することで血流を促進し、筋肉の緊張をほぐす効果があります。それはちょうど日だまりに佇んでぽかぽかと温かく感じる心地よさといってもいいでしょう。

特に、冷え性や肩こり、腰痛に悩んでいる人にとっては、じんわりと温まることで体が軽くなる感覚が得られるでしょう。

また、副交感神経が優位になりやすく、心身ともにリラックスできるのも魅力のひとつです。ストレス解消や睡眠の質を向上させるのにも役立つかもしれませんね。

老廃物や毒素も排出する

遠赤外線による発汗は、通常の汗腺(エクリン腺)だけでなく、皮脂腺(アポクリン腺)にも作用しやすい と言われています。

上図のように遠赤外線が皮膚の奥(皮下3〜4cm)まで浸透して内部から温めるため、毛穴の奥の汚れや毒素、老廃物も排出されやすくなるでしょう。

そのため体調管理や健康維持の上では非常に有効かもしれませんね。最近何となく身体がだるいとか、身体が重たい気がするという人は遠赤外線サウナは効果的でしょう。

息苦しさが少ない

一般的なサウナでは、熱気によって空気が乾燥し、息苦しさを感じることがあります。

一方で、遠赤外線サウナは空気自体を熱するのではなく、体を直接温めるため、湿度が一定に保たれやすく、呼吸がしやすいのが特徴です。

これにより、高温のサウナが苦手な人でも快適に過ごせるだけでなく、長時間入っても呼吸が楽なため、リラックス効果がより実感しやすくなります。

デメリット

フィンランド式に比べて発汗量が少ない

遠赤外線サウナは乾燥していて、皮膚表面の汗がすぐに蒸発しやすいため、発汗量が少なく感じることがあります。

そのため熱気式サウナのように、滝のような汗をかきたいという人にはちょっと物足らなく感じるかもしれませんね……。

ロウリュなどの楽しみが少ない

遠赤外線サウナは、ストーブやサウナストーンを使わず、遠赤外線ヒーターで体を直接温める仕組みです。そのため、ロウリュをするための石は存在せず、水をかけて蒸気が発生させることはできません。

どちらを選ぶべき?

フィンランド式サウナと遠赤外線サウナは、多くのサウナの中でも特に人気があります。それではそれぞれの特徴と、特徴に応じた最適な活用シーンを紹介しましょう。

種類フィンランド式サウナ遠赤外線サウナ
大量発汗
湿度
リラックス効果
ととのう効果
身体への負担
◎最適 ◯適している △考え方次第 ✕合わない

リラックス重視なら遠赤外線サウナ

遠赤外線サウナは、体をじんわりと芯から温めるため、穏やかな発汗とともにリラックス効果が得られます。

熱気式サウナのような強い熱刺激が苦手な人や、ゆったりとした時間を楽しみたい人におすすめです。日常の延長で瞑想や読書をしながら過ごすのにも向いているでしょう。

デトックスや「ととのう」体験を求めるならフィンランド式サウナ

フィンランド式サウナは、高温多湿の環境で大量の発汗を促し、体内の老廃物を効率よく排出できます。

前述のとおり、「ととのう」体験を味わいたい人にはぴったりです。しっかり汗をかき、水風呂でクールダウンすることで、自律神経が整いやすくなるでしょう。

初心者や高齢者は遠赤外線サウナが安心

サウナ初心者や高齢者にとって、熱気式サウナは負担が大きいことがあります。

その点、遠赤外線サウナはほどよい温かさで、体への負担が少なく、無理なく温まることができるでしょう。のぼせにくいため、ゆっくりと体を温めたい方にはおすすめです。

短時間でしっかり汗をかきたいならフィンランド式サウナ

フィンランド式サウナはぐんぐん体温を上げ、比較的短時間で大量の汗をかけるのが特徴です。

時間がないけれどしっかりリフレッシュしたいとき、効率的に汗をかきたいときに最適です。ただし、長時間の滞在は体への負担が大きいため、適度な時間で切り上げるのがポイントかもしれません。

フィンランド式サウナに適している人

適している人

冷え性の人

高温(60~80℃)の熱と蒸気が体をしっかり温め、血流を促進します。

筋肉疲労やコリがある人

高温の熱で筋肉がほぐれやすく、リラックス効果が期待できる。

しっかり汗をかきたい人

しっかり汗をかくことでデトックス効果が期待できます。

注意が必要な人

高血圧や心臓に不安がある人

高温環境は心臓に負担がかかりやすいので要注意です。

のぼせやすい人

少なからず急激な温度変化で立ちくらみを起こす可能性があります。

遠赤外線サウナに適している人

適している人

低血圧の人

ゆるやかに体を温めるので急激な血圧変動が起こりにくいです。

体力が落ちている人、初心者

比較的低温(40~60℃)なので身体に負担をかけず、無理なく入れるのが大きなメリットですね。

肌や呼吸器が敏感な人

湿度が比較的高いため、乾燥しにくく負担が少ない。

リラックス目的の人

熱が身体の深部に浸透してじんわり温めるため、精神的な落ち着きを得やすい。

効果的な活用方法

フィンランド式サウナと遠赤外線サウナの魅力を紹介してきましたが、まとめると効果的な活用方法は以下のようになるでしょう。

フィンランド式サウナ

フィンランド式サウナの有効活用法

  • ロウリュを活用∶石に水をかけて湿度を調整し、発汗を促進
  • サウナ→水風呂→外気浴を繰り返す:「温冷交代浴」で血流促進、自律神経を整える
  • 時間と回数を調整:8~12分を目安に、2~3セット繰り返す
  • 状況に応じて負担軽減:座る位置を下段にすると熱さの負担が減る
  • 適切な水分補給:サウナ前後に水分を十分に摂取し、脱水を防ぐ
  • リラックスを意識:瞑想や深呼吸を取り入れて、精神的なリフレッシュを意識

遠赤外線サウナ

遠赤外線サウナの有効活用法

  • 低温でじっくり温まる:50~60℃の設定で20~30分を目安に入る
  • 発汗を促す環境を作る:薄手のタオルをかけると発汗しやすい
  • 水分補給を徹底:長時間入る場合、こまめに水を飲む
  • 軽いストレッチをする:筋肉を緩めながら入ると、血行促進と疲労回復に効果的
  • 入浴後の保湿ケア:皮膚が乾燥しやすいため、保湿を意識する
  • 頻度を調整:毎日入るより、週2~3回のペースが理想的

まとめ

汗をかいてストレス解消、気分がスッキリするサウナの魅力は、とても一言では表現できません。体験をすればするほど魅力とともに、人生の醍醐味を実感できる瞬間かもしれないですよね……。

今回はフィンランド式サウナと遠赤外線サウナの効果や魅力を見てきましたが、やはりそれぞれの目的に合わせてサウナを選ぶことが大切でしょうね。

どちらも適切に活用さえすれば健康増進に大いに役立つことは間違いありません!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次