皆さん、最近絵を描いたりしますか?
えっ、「そんな時間なんてない:(」ですって……。それは残念。
でも、お絵描きを生活にとりいれると、毎日が着実に変化してきた、充実してきた…という人が珍しくありません。
それはどんなところにあるのか? さらにお絵描きには本来どんな魅力があって、どんなメリットがあるのかも考えていきます。
絵を描く楽しさと魅力
まずは絵はどんなところが楽しくて面白いのか、どんな魅力があるのかを原点に立ち返りながらご説明します
思う存分描く楽しさ・喜び
私は幼い頃、絵を描くのが何よりも大好きでした。
絵を描くというよりは落書きをしていたという表現のほうが適切かもしれません……。
ぐるぐる○を描いたり、線を描いたり、描きなぐったり、そういうまったく制約のないところで偶然に出来上がった形がうれしくてたまらなかったのを今でもはっきりと覚えています。
この経験から、「絵を描くってこんなに楽しいものなのか」とはっきり意識したのは間違いないですね。
絵を描くことは、上手に描くことも目的のひとつかもしれません。
しかしそれよりも、描くという行為。できれば何も考えずに描きたいものを徹底的に描くという経験は誰もが必要な体験だと実感します!
描いてるうちに気持ちが落ち着き、心が整理されていったことは無限にあります。
現代人はあらゆる制約とルールでがんじがらめ……。おまけに時間に追われるという日々の連続の中で、心身ともに疲弊しています。
絵を描くことで(落書きでまったく構いません)思いっきり心を解放し、はめを外す瞬間をつくってみましょう。
自分の心や想いの中にある邪気や閉塞感は描くことで思いっきりデトックスできますし、それは必要なことなのです。
絵は発見の連続
絵を描いていると思わぬ発見をすることがよくあります。
たとえばふだん見慣れたはずのリンゴが、赤だけではなく、いろんな色が隠れていてリンゴの赤い色を構成していること。
青空は水平線に近づくほど、青色がだんだんと薄くなっていき、空が無限に拡がっているように感じることなど……。
確かに「リンゴは真っ赤だ」とか、「空はどこまでも真っ青だ」と思い込んでいたら、それまでかもしれません。
しかし、絵を描くためにモチーフ(絵の題材)をじっくり見ると、常識だと思っていた事がそうでもなかったことに気づくことがよくあるのです。
このように絵の面白さは描くことで、さまざまな発見をしたり、体感できることなのです。
絵を描くと童心に戻れる
「あの人は気持ちが少年のように純粋だ」とか言うことがありますよね。
お絵描きしたり、モノを作ったり……。幼い子どもたちは目を輝かせて空や海、太陽、花、キャラクターなど、自分が描きたいテーマをどんどん描きます!
子どもたちの絵が見る者の心を捉えたり、感動するのはそこに見栄や嘘がないからですよね…。等身大の自分を表現しているからです。
実はこの物事を純粋に見る目や気持ち、描きたいものを思う存分描くという作業はとても大切なことなのです。
絵の原点は、どんなテーマに対しても新鮮な物の見方や感動する心を持つところから始まります。
無心で絵を描くと、「こんな自分もいたんだ」と新たな発見をすることができるかもしれません。
考えられる効果
お絵描きをすると心身に好影響が現れるようになるといいます。それは具体的にどのようなものなのかを、ここで見ていきましょう!
認知症予防になる
絵やスケッチをすると当然のことですが、手を使って強弱をつけたり、早いタッチで描き切ったりします。描きかたや手順には、いっさい機械的なマニュアルは存在しませんよね。
描きかたの基本こそありますが、十人十色でひとりひとり個性があって流儀がありますよね。
実は手や指の動きを通して、感情を込めたり、形や色彩を決めることが、脳の働きの活性化を大いに促すようになるのです。
特に、感情を込めたり、物事を考えたり、決定したりすることで脳の前頭葉が活性化するようになります。日常生活の感情のコントロールにもいい影響が出やすくなるのです。
認知症のリハビリとして、絵を描くことや、手工芸がよく採用されるのは、指先を通じて脳の働きが活性化することにつながるからなのです。
気持ちが前向きになる
何事も手がつかない。気力が湧かない。自信がなくなった……。
誰もが一度はこんな経験をされたことがあるのではないでしょうか。こういうときは頑張ろうとすればするほどつらくなったり、気落ちしたりするものです。
そんなときは、ぜひ絵を描いてみてください。上手い、下手なんて一切関係ありません。
まずは自分の想いを素直に描き綴ってみましょう! 最初は落書きになるかもしれません。でもそれでいいのです。気持ちが少しずつ整理されるにつれて、描きたいテーマが見えてくるようになるでしょう。
描くことが習慣になり、楽しくなると、生活の中に喜びや張り合いを見い出せるようになります。
そのことが気持ちを前向きにするきっかけにもなるのです。
発想が豊かになる
モノを作り出す喜びは想像以上に大きいものです。
絵を描く習慣が一度身につくと、描くことがどんどん楽しくなっていきます。楽しくなるとますます創作欲が刺激され、絵を描くようになります。
そして描くことによって次第に感性が磨かれ、審美眼が養われ、視野も大きく拡がるようになっていきます。
絵を描くときは形を決めたり、配色をどうしようかとか、どのようなタッチにしようかと五感をフル稼働させますね。
このことが描くだけにとどまらず、描く体験を通じて豊かな発想力、感じる気持ちなどを知らず識らずに吸収したり、身につくことが多いのです。
ストレスを解消する
イライラを感じたり、感情をコントロールしにくくなったときに、絵を描くことは大きな効果を発揮します。
学術誌「Art Therapy」に掲載された研究では、45分間、何らかのクリエイティブな活動をすると、ストレスが大幅に減少するという結果が出ています。それも絵を描いた経験や才能にまったく関係なく効果があるというのです。
この研究で注目されたのは、参加者たちのコルチゾール(ストレスに反応して分泌されるホルモン)の値です。
絵を描いた後、約75%の人たちのコルチゾール値が減少して、ストレスの低下がみられたのです。
誰もが潜在的に持っているクリエイティブな感覚が刺激されると、嫌なことや暗い気持ちを切り替えられるという実例でしょう。
オススメのスタイル
さっそく絵を描いてみようと思うけど、何から始めていいのかわからない…。そんな方はとりあえず次の例を参考にしてみてくださいね。
落書き帳を持ち運ぶ
何も考えないで描く。思いをぶつける。描いて気を紛らわしたいという方はこれが絶対的にオススメです!
何か意識を変えたい、気分転換したいときは落書き帳やスケッチブックを鞄に入れて持ち運ぶのもいいかもしれません。
「ああでもないこうでもない……」と落書きをしているうちにアイディアが浮かんできたということもあります。
簡単な絵日記をつける
大雑把でも、やはり残るもの、役にたつ絵にしたいとお考えの方は絵日記がオススメです。
気軽に続けられるという意味では最適かもしれません。ただし細かいところまで丁寧に描く必要は一切ありませんよ…。
可能であれば色がついているほうが後でいろいろと役に立つかもしれません。でも無理は禁物です。
楽しく続けるのが絶対条件だからです。
感動したこと、驚いたこと、悲しかったこと、うれしかったことなど……。無理がない程度で、その日に心動かされた出来事を絵にすると、実体験の記憶とともに鮮明に心に刻みこまれます。
その日にあなたが一番印象に残ったことを、絵とともにメモを添えて記録しておけば、自身の成長の記録や大切な心の財産として記憶に刻み込まれることになるでしょう。
食材の果物、野菜を描く
今日晩ごはんは何を食べますか?
カレーライス、酢豚、野菜炒め……。いいですね。でもちょっと待ってください。食べる前に簡単にスケッチしてみませんか? ゆとりがあれば色鉛筆や水彩色鉛筆で着色するのもいいですね。
モチーフは身の回りにあるものから描くのがいいでしょう。描くことでモチーフへの愛着が出てきたり、さまざまな発見が得られるかもしれませんね……。
特にオススメなのがバナナやリンゴ、ブロッコリー、人参などの果物や野菜類です。
くつろいだ気持ちでコーヒーを飲みながらでも構いません。思わぬ癒やしと気分転換になるかもしれません。
コラージュを楽しむ
コラージュを楽しむのもいいですね!
生活の中で見つけた面白い形の印刷物や、気にいったフォルムの文字、新聞の切り抜きや壁紙、書類、チラシの欧文文字などを組み合わせて、作品にするのがコラージュです。
コラージュにすることで、描くだけでは表現できない多種多様な表現を楽しんだり、思わぬ効果を生み出すことも可能です!
さまざまな新聞や雑誌の切り抜き、面白いPOPを貼りつけるなど、コーディネートする面白さだったり、偶然にまかせて効果を狙う中で感覚やデザインセンスも磨かれるでしょう!
休日や旅行時のスケッチ
屋外でスケッチをすると、気持ちが落ち着くという声をよく耳にします。
室内で黙々と静物デッサンするのも悪くありませんが、それなりに集中力が必要です。
それに比べると外気を浴びながら、描写したい場所を選んで描くスケッチは大いに気分転換になります。
旅行先でスケッチする場合は、訪れた場所をくっきりと心に印象づける素敵な旅になるかもしれませんね。
描くことが楽しくなる素材
絵を描く最初のステップとして、初心者の方が描きやすく扱いやすい画材を紹介します。
まずはあなたの感性に一番マッチするものを選んでみたらいかがでしょうか?
鉛筆
「鉛筆って黒1色でつまらないんじゃない……」とおっしゃる方もいます。いえいえ決してそんなことはありません。
デッサンを一度でもかじったことのある方なら、よくお分かりかと思いますが、鉛筆のトーンで表現できる絵の世界は無限です。
輪郭線の強弱だけで絵を見せることもできるし、トーンの積み重ねで描くことも可能です。また鉛筆の芯の硬さによって、絵もまったく違うものになります。
鉛筆1本で深遠な世界を表現することももちろん可能です。
鉛筆で描く場合は柔らかい芯の2Bから4Bあたりを使って描くと、絵にも柔らかさと動きが出やすくなりますよ。
色鉛筆・水彩色鉛筆
色鉛筆はとても使いやすい素材です。
おそらく鉛筆と同レベルか、色が使えるということも考慮すれば、最も使い勝手のいい素材と言っていいかもしれませんね。
色鉛筆で描いたタッチに水を加えて水彩画風の出来上がりに仕上げられる水彩色鉛筆もオススメです。
水彩画ほどの難しさがなく、手軽に水彩画風の効果を得られるのが最大のメリットですね!
透明水彩
水彩は水に溶かして使う画材ですが、特徴を活かすとデリケートなタッチや効果が期待できます。
色が水に溶けてにじんだり、かすれる効果は水彩画にしか表現できないもので、特に透明水彩は美しい効果を再現しやすい画材です。
まるで時間の流れやデリケートな感情、非日常的な空間が演出できるようになります。
カラーマーカー・イラストマーカー
カラーマーカーやイラストマーカーは発色がよく、イラストやデザインの原画によく用いられたりします。
異なる色を重ねても、透明感が残るため面白い効果が期待できます。また水彩画のように水に溶かして着色する手間がかからないため、使いやすい素材としても人気があります。
まとめ
お絵描きが心身に与えるメリットや魅力について納得していただけたでしょうか?
それでは今回のまとめをどうぞ!
①テーマを決めずに思う存分描くと心が解放される
②非日常的感覚を味わえ、ストレスが解消できる
③発見が多く、本質的な物の見方ができるようになる
④描くほどに感性が磨かれ、発想が豊かになる
⑤ストレスなく作業にとりかかりやすい
⑥脳の活性化、認知症予防に効果
⑦気分転換やマンネリ解消に最適