これから暑さが本格的になる季節。熱中症対策がどうのこうのという声があちこちから聞こえてくる季節となりました。
皆さんは日頃の水分補給どうしていますか……。
今回は水分補給で圧倒的にニーズが高いミネラルウォーターとスポーツドリンクに限定して比較しながら、それぞれの特徴に迫ってみました。
ミネラルウォーターとは?
ミネラルウォーターは一言でいえば水ですが、水道水との大きな違いは原水であることですね。
山間部や森林の土に染み込んだ雨や雪(指定された区域)が、時間をかけて地質や土壌でミネラル分と溶け込みながらろ過されます。
このような地下水を汲み上げて湧き水として採水したものが一般的にミネラルウォーターと呼ばれているのです。
ミネラルウォーターは製造過程でミネラルを加えることはありません。ミネラル分を調性したり、殺菌処理をすることはあっても、あくまでも天然の水を活かすことが原則なのです。
ミネラルウォーターのメリット
天然のミネラルが健康を維持
ミネラルウォーターにはマグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄分などのミネラル成分が豊富に含まれています。
ミネラル分が無理なく健やかな身体を保つベースになっているのです。特に3大電解質であるナトリウム、カリウム、マグネシウムは、体調管理に大きな役割を果たしていると言われています。
血行を改善し、血圧を安定的に整えたり、筋肉の収縮を改善したり、消化吸収を整えるにも役立つという研究結果も多く出ています。
日常の水分補給に最適
日常の水分補給だけが目的ならばミネラルウォーターで充分です。
摂取方法としては一気に飲むのではなく、時間を少しずつ空けながらこまめに飲むようにするのが吸収もよくベストでしょう。
水だけのほうが栄養分が含まれたスポーツドリンクよりも胃に溜まらず、すぐに腸に吸収されます。スムーズに身体に吸収され、代謝がよくなるのは健康維持の上でも大きなメリットであることは間違いありません!
美容効果が高い
ミネラルウォーターを飲む習慣が身につくと、次第に肌にもうれしい変化が現れるでしょう。
なぜなら天然のミネラルが含まれているため、糖分や添加物が一切ないミネラルウォーターはそれだけで充分に美容効果が高いからです。
意識しなくても体内や肌ヘの吸収率が高いため、肌質に自然な滑らかさが出てきたり、潤いが出てくることでしょう。
ミネラルウォーターは身体にやさしいから好き!
何がいいんだろう…
これ飲んでると肌の調子がいいの
なるほど!
糖分やカロリーの摂取が避けられる
天然の水を採取したミネラルウォーターは基本的に糖分やカロリーはゼロです。
コンビニやドラッグストアに並んでいるペットボトルの商品で糖分やカロリーがない商品は他にありません。
美容目的で飲む場合も、健康習慣として飲む場合も安心して飲むことができるでしょう。
水道水に比べおいしい
ミネラル成分が含まれているミネラルウォーターは水道水に比べ、「なめらかな味わい」とか、「おいしい」、「癖になる」という声もよく聞きます。
一般的に水道水は塩素を消毒のために加えています。もちろん安全性には問題ありませんが、塩素臭が気になるというかたもいるでしょう。
ミネラルウォーターはミネラル成分のバランスや硬度から好みの水を探すことができるのも魅力です。
ミネラルウォーターのデメリット
硬水・軟水の見極めが大切
ミネラルウォーターには硬水・軟水の幅広いヴァリエーションがあるのはよく知られるところです。
決してデメリットではないのですが、体質や好みにあったものを選ばないと、「こんなはずじゃなかった…」となりかねないので注意が必要でしょう。
特に硬水は軟水に比べるとカルシウムとマグネシウム含有量が多いため、口当たりはしっかりしてますが、ズシンと重たく感じる人がいるかもしれません。
また硬水は赤ちゃんのミルク用、幼児の飲料としては不向きですね。刺激が強くお腹に負担がかかったり、下痢のもとにもなるので注意しましょう。
味が物足らない
言うまでもなくミネラルウォーターは糖分や添加物など含まれていません。
したがって糖分やカロリーの摂取が避けられるという大きなメリットはあるものの、飲んだけど何か物足らないと感じても不思議ではないでしょう。
ただしミネラルウォーターには硬水・軟水などさまざまな種類があります。体調や体質にあった種類のものを選んで飲むのも楽しいかもしれませんね。
腎臓疾患の人は注意
ミネラルウォーターの硬水の種類によってはカルシウムやマグネシウムが豊富に含まれるため、腎疾患の持病がある人は注意が必要です。
腎不全の人の中にはカルシウム製剤やビタミンD製剤を使用して血清カルシウムの数値が高めになっている場合があります。その場合はカルシウムの過剰補給になるかもしれません。腎臓がうまく機能していない人の場合、水分補給には軟水を選ぶのが無難でしょう。
どうしても硬水を飲む場合でもボトルの成分表示をよく見て選ぶべきですね。
スポーツドリンクとは?
スポーツドリンクは、運動や日常生活などでの発汗などで体から失われた水分やミネラルを、効率良く補給できる清涼飲料水です。
砂糖や果糖などの糖分の他に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
脱水症状の回復や、炎天下での熱中症対策などで飲まれることも多く、身体に浸透しやすいのも特徴です。
スポーツドリンクのメリット
激しい運動時の水分補給に最適
体力が消耗するようなランニング、猛烈に汗が流れる激しい運動時にはスポーツドリンクがオススメです!
激しい運動後の脱水状態から速やかに回復するためには、運動で流した汗と同じ量か1.5倍くらいの水分と塩分量を摂ることが必要になってきます。
普通に水分を摂るだけでは脱水症状は改善されませんから、塩分を含んだスポーツドリンクがいいでしょう。また大量発汗をした場合はスポーツドリンクよりもさらに塩分濃度が高い経口補水液を摂るのが間違いありません。
熱中症予防に効果的
熱中症対策として炎天下での長時間の作業時などにはスポーツドリンクが大きな効果を発揮します。
汗を大量にかくと、体内の水分だけでなく塩分やミネラルなどの体調をコントロールする成分まで排出されてしまいます。これが脱水症状を起こす元凶になるのですよね。
脱水症状時に水を飲んでも、体液中の塩分濃度が下がってしまうでしょう。それは飲んだ水を充分に身体に吸収できないまま尿として排出してしまうからなのです。
発熱時の弱った身体に効果的
スポーツドリンクは発熱で弱った体に栄養を効率よく補給できる成分が含まれています。
電解質をはじめビタミン・ブドウ糖(糖分)などの栄養分がそれに該当します。
体液(体内の水分)に近い成分となっているため、発熱で弱った体にスムーズに無理なく浸透するでしょう。
私、風邪で身体がつらいときはスポーツドリンクにお世話になってる
ぼくもそうだな。あの身体に染み込む感じが何ともいえないんだよね
ほんとそう!生きてるって実感する瞬間だね
疲労回復に効果的
スポーツドリンクには疲労回復時に最も効果的にエネルギーを摂取できるブドウ糖やショ糖が含まれています。また運動で溜まる乳酸の分解や回復に効果的なクエン酸やアミノ酸も含まれています。
水分と塩分を補給できるだけでなく、疲労回復に効果的なのはスポーツドリンクの魅力の一つといえるでしょう。
スポーツドリンクのデメリット
糖分の過剰摂取になりやすい
大量の発汗や疲労がない場合はスポーツドリンクを大量に飲むのはオススメできません。
塩分や糖分の摂り過ぎになることはもちろん、依存症になってしまうことがあるからです。
スポーツドリンクに含まれる糖分は清涼飲料水や炭酸飲料より多い場合もあります。特に高血圧や糖尿病を患っている人は気をつけましょう。
平常時の水分補給には不向き
スポーツドリンクを平常時の水分補給に利用するのはあまり適しません。
だからといって糖質をおさえたスポーツドリンクがいいかというとそうでもありません。特に「カロリーゼロ」や「カロリーオフ」と謳った商品は人工甘味料が入っている場合が多いのです。このカロリーオフの飲料を水代わりに飲むとちょっと大変なことになります。
人工甘味料に含まれているのがスクラロースという成分で、これは砂糖の約500倍ほどの甘さだといいます。カロリーゼロでも甘みを感じるのはそのためなのでしょう……。
常用すると下痢になったり、味覚障害やうつ症状が発覚することもあります。気をつけましょう。
飲料のシーン別適応度
最後にミネラルウォーターとスポーツドリンク、補足として経口補水液も含めた生活のシーン別適応度を表にしてみました。
ちょっとした水分補給の参考になれば幸いです。
種類 | ミネラルウォーター | スポーツドリンク | 経口補水液 |
消化吸収 | ◎ | △ | ◎ |
日常の水分補給 | ◎ | △ | △ |
激しい運動時の水分補給 | △ | ◎ | ◎ |
体力消耗、発熱時 | ○ | ◎ | ◎ |
味・風味 | ○ | ◎ | △ |
栄養・エネルギー | △ | ○ | ◎ |
まとめ
いかがでしょうか。ミネラルウォーターとスポーツドリンクの特徴や適応できる生活シーンを見てきました。
要約すると次の特徴にまとめられるでしょう!
ミネラルウォーターの特徴
- 日常の水分補給に最適
- 糖分やカロリーの摂取が避けられる
- 新陳代謝に効果的
- 硬水と軟水、バリエーションが豊富
スポーツドリンクの特徴
- 激しい運動時の塩分・水分補給に最適
- 発熱時などの虚弱状態に効果的
- 熱中症対策に効果的
- 疲労回復効果がある