クラシック音楽はどちらかというと、日本では難しいもの、堅苦しいものと思われてきた嫌いがあります。
しかし音楽を楽しむスタイルとしてサブスクの音楽配信サービスが定着してきたことを思うと、これから飛躍的なクラシック音楽ブームが到来することも決して夢物語ではないでしょう。
どうしてそんなことが言えるのか? それはクラシック音楽とサブスク音楽配信との相性が抜群だからなのです!
サブスクリプションとは?
それでは最近よく聞く「サブスクリプション」、通称サブスクって一体何なのかを説明してまいりましょう。
スマホ全盛時代のサービス
サブスクは一定期間・一定の額でサービスや商品が利用できるサービスのことです。料金を払っている期間は、自由に商品やサービスを利用できますが、契約を終了すると利用ができなくなります。
サブスクのサービスが提供されている分野はとても広く、音楽や動画などの配信を始めとして、家電や衣服、車、住居など、さまざまな分野で多くのサービスが展開されています。
サブスクの音楽配信サービスの場合は一定期間(おもに月額制)の利用料を支払うと、その期間はサービスに登録されている音楽すべてが聴き放題になります。
楽曲を提供するアーティストとしても、楽曲が再生された回数に応じて収益が入るメリットがあります。
またサブスクを提供する事業者にとては利用者の統計をもとにサービスを改善するメリットもありますね。
サブスクの音楽配信サービス
次に現在よく利用される音楽配信サービスをあげてみましょう。
配信サービス | 無料プラン | 月額料金 | 音質 |
---|---|---|---|
Apple Music | なし | ●1080円(個人) ●580円(学生) ●1680円(ファミリー) | ロスレス・ハイレゾ音質対応 | 256kbps
Spotify | あり | ●980円(個人) ●1280円(Premium DUO) ●480円(学生) ●1580円(ファミリー) | 最大320kbps |
Amazon Music | あり | ●1080円(個人) ●580円(学生) ●580円(ワンデバイスプラン) ●980円(Prime会員) ●1680円(ファミリー) Amazon Music Primes ●600円(個人) ●300円(学生) | Amazon Music Unlimitedロスレス・ハイレゾ音質対応 | 256kbps
YouTube Music | あり | ●iPhone:1450円 ●Android/Web:1080円(個人) ●Android/Web:580円(学生) ●iPhone:2180円 Android/Web:1680円(ファミリー) | 最大256kbps |
AWA | あり | ● 980円(個人) ●270円(アーティストプラン) ●480円(学生) | 最大320kbps |
LINE MUSIC | あり | ●LINE STORE:980円(個人) ●アプリ内霧入:1080円(個人) ●LNE STORE:480円(学生) ●アプリ内房入:580円(学生) ●1680円(ファミリー) | 最大320kbps |
クラシック音楽のナビゲーター
クラシック音楽の初心者や、馴染みのなかった人にとって、音楽配信サービスはクラシック音楽の入口になれる可能性あります。それは以下の理由からです。
聴くストレスが少ない
クラシック音楽は他の音楽ジャンルとは違って、歴史の成り立ちから構成まで異質です。敷居が高いように感じるという人が多いのも何となく分かる気がしますよね。
しかしサブスクの音楽配信サービスはちょっと違います。極端な話、サブスク契約さえしていれば端末1台でどこででも音楽を楽しめます。音楽を聴くストレスが著しく軽減されているのです。「たまにはクラシックでも聴いてみようかな」と思う人が出てきても何ら不思議ではありません。
一度その魅力にハマったら離れられないというのもクラシック音楽ならではなのです! 音楽と向きあう楽しさが出てくれば、作品の書かれた背景が見えてきたり、ドラマチックな人間ドラマが心に深く刻まれたり、とにかくさまざまなメッセージが享受できるかもしれませんね。
演奏会の予習に
「今度初めてヴィヴァルディの四季を聴きに行くんだけど」「ところで四季ってどんな曲?」こんなケースはよくありますよね……。その時に誰もが思うのは「どんな曲なのか一度聴いてみたい」ではないでしょうか。
昔であれば図書館の視聴覚室に行って試聴したり、レコード店で視聴したりして、コンサート前の予習にする人もいました。しかし今はなんといってもサブスクの音楽配信サービスが大きな力となることでしょう!
サブスクならいつでも聴きたいときに検索をかけて聴けるのが便利ですし、何より手軽です!
お気に入りをマイページで保存できる
音楽配信サービスにはアプリごとにマイページがあリますよね。実はこのマイページが便利で重宝する機能なのです。
特にクラシック音楽の場合、気に入った曲、好きになった曲など、これらを保存しておくだけでオリジナルのコレクションになります。そのことで聴く喜びが2倍にも3倍にも増していくのは間違いないでしょう。
上にあるプラスマークがマイページの目印
マイページが保存された状態
追加した曲がマイページとして登録される
アルバムの表示スタイルを変えることで、よりコレクション風にできます。
クラシック音楽との相性がいい理由
なぜ音楽配信サービスがクラシック音楽と相性がいいのかはいくつかの理由があります。サブスクは契約さえ解除しなければ、さまざまな制限がクリアされていてクラシック音楽にのめり込むのに最高の環境です。それを活かさないのはちょっともったいないかもしれません。
本当に好きな作品の発見
音楽配信サービスは、さまざまなジャンルや曲を網羅しています。特にクラシックというジャンルは、先入観を持たないで音楽に接しさえすれば思わぬ出会いがあったりするんですよね……。
そしてコアなファンだけでなく、初心者にとっても親しみやすいのが最大のメリットといってもいいかもしれません。
相性がいい作曲家・演奏家の発見
たとえばクラシック音楽好きの友人に、「ショパンのバラードはいいよ」と言われて聴いたけれど、何故かピンとこない場合があります。そのとき「自分はクラシック音楽と縁遠い人間なのかも」なんて思う必要はまったくありません。
「ショパンの良さはいまいちわからないなあ……」と感じるのは音楽に疎いからではないですよね。それはまったく普通の感覚なのです。
人は生まれ育った環境も十人十色、いろんな感性をもっていますし、好みも当然違います。相性のいい作曲家もいれば、そうでない作曲家もいます。それを徹底的に検索して自分の好きな作曲家の作品だけを聴けるのも音楽配信サービスのメリットなのです!
心ゆくまで音楽を探せる
サブスクの音楽体験は、ちょうど図書館や視聴覚室、レコード店などで何時間も入り浸って聴く体験に似ています。
しかし図書館や視聴覚室は場所や時間が限られているのに対し、サブスクにはそれがいっさいありません。極端なことをいえば、時間さえあれば無限に自分好みの音楽を探し出すことができます。
それがどれだけありがたいことなのか、奥の深いクラシック音楽の場合はなおさらです。使えば使うほどその便利さを実感するようになるでしょう!
気になるあの音楽は何?
街角でどこからともなく聴こえてきた気になる音楽……。でもなぜか思い出せなかったり、曲が分からなくてもどかしさを感じたことはありませんか?
そんなときこそ役に立つのがGoogleの「鼻歌検索」です。スマホの端末上の最新の Google アプリ内または Google 検索ウィジェット からマイクアイコンをタップし、「この曲は何?」 と話しかけるか、「曲を検索」ボタンで起動します。
その後、10~15 秒間くらいメロディーをハミングすると検索結果が表示されますよ。
検査結果で表示された音楽を配信サービスで検索すると、多くのアルバムや曲が出てくることでしょう!
同じ作品をさまざまな演奏で聴ける
仮に音楽配信サービスでベートーヴェンの交響曲第9番と検索してみましょう。するとたくさんの指揮者やオーケストラによるアルバム候補が出てきます。
そう!クラシック音楽の最大の面白さは同じ曲を違うキャスティングで聴くことに尽きるといっても過言ではありません。
クラシック音楽ほど、指揮者や演奏家が変わるだけで、曲から伝わるメッセージがまったく違って聴こえるジャンルは無いといっていいでしょう。
たとえば有名なモーツァルトの交響曲第40番ト短調の第1楽章を2種類の演奏で聴き比べてみましょう。
どうでしょう……。明らかに違って聴こえませんか? クラシック音楽の面白さはこんなところにあるのです。
また、聴く人がその作品に対して何を期待しているかによって、作品に対する評価やイメージさえも大きく変わっていくのです。こんな音楽ジャンルは他にはないでしょうね……。
実にさまざまな要素が絡み合って作品が成り立っているのがクラシック音楽がクラシック音楽たるゆえんなのです。それだけクラシック音楽は奥行きがあって、味わい深いともいえるでしょう。
ソフトを切り替える手間がない
音楽配信サービスのメリットのひとつとしてソフトの切り替えの必要がないというのも大きいですね!
一昔前であれば聴きたいCDアルバムをプレイヤーにセットして聴くというのが一般的な鑑賞スタイルでした。また音楽データファイルを端末にダウンロードして聴くipodのようなスタイルも一斉を風靡しました。
けれども所詮、再生が終わったらまた新たに別の曲をセットするか、ダウンロードして聴かなければならないことに面倒さを感じていた人も多いのが事実です。
そんな折、音楽配信サービスで聴きたい曲を検索すると、たちまちあらゆるアルバムが候補として表示されるというのは冷静に考えれば夢のような話ではないでしょうか!
特に交響曲やオペラのように長丁場の作品が多いカテゴリーはなおさらですよね。しかもエンドレスで次々と聴けるのも素晴らしいです。
関連する作品に出会える
音楽配信サービスの場合、聴いていた曲の再生が終了すると、ほどなくしてそれに関連する曲が自動的に再生されます。
これが意外といいんです! 「へーっ、こんないい音楽あったんだ…」という新鮮な感動と驚きがあったりします。こういうところからクラシック音楽への理解と関心が深まったりもしますよね。
作曲家別で聴ける
音楽配信サービスのメリットしてあげられるのがカテゴリー別にしっかり分類されていることです。その一つが作曲家別で検索しやすいことです。
たとえばSpotifyで検索する場合は以下の手順で行うといいでしょう。(他のサブスクも基本設計に大差はありません)
作曲家のカテゴリーをセレクトします。
曲目が開いたらアトランダムに聴いてみるのも一つの方法。
演奏家別で聴ける
クラシック音楽を少し聴き込んだら、気になるアーティストが出てきます。そうしたら聴いてみたいアーティストから選んでみるのも楽しいかもしれませんね。
気になるアーティストを検索します。
アーティストの録音やアルバムが表示されます。
アーティストの曲から聴きたい曲を選択します。
選択したアルバムや曲が表示されます。
まとめ
これまでクラシック音楽はちょっと理屈っぽい、難しいということで、食わず嫌いをしてきた人は決して少なくないでしょう……。
しかし定額の音楽配信サービスがこれほど普及した現在、クラシックを食わず嫌いする理由はどこにもありません。むしろ積極的に聴いていけば、眠っていた感性が開かれるかもしれないですよね。
少しかじって、気が向いたときに聴いてみるというスタイルでもいいでしょう。何より自分にあった無理のないスタイルで聴くのがオススメです! クラシック音楽との接点が、あなたにとってかけがえのない財産となり、音楽体験となっているかもしれませんね。