生涯の心の財産になる!!クラシック音楽だけの魅力を徹底分析

音楽にはさまざまなジャンルがありますが、「クラシック音楽」といえば、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

「教養の高い音楽」、「型苦しい音楽」、「小学校の音楽鑑賞を思い出す」、「歴史の遺物」、とかおそらくいろんな意見が出てくるのでしょうね…。

でもクラシック音楽の本当の魅力は意外に知られていなかったりするものです。今回はクラシック音楽だけの魅力について迫っていきます!

目次

クラシック音楽の凄いところ

まずはクラシック音楽が他の音楽に比べて凄いと思われるところをあげていきたいと思います。

長い歴史で愛され、支持されてきたのはそれなりの理由があるはずですよね……。

波長が高い

昔からクラシック音楽は「波長が高い」とよく言われます。それはなぜなのでしょうか?

波長とは光の振幅の幅を表す基準値の一つですよね。「波長が高い」とは言い換えれば光の波の頂点に位置する音楽と捉えることもできるでしょう。

中世のグレゴリア聖歌やカトリックのミサ曲などは神を賛美し、祈りを捧げることを起源としていたため、クラシック音楽もその影響下で発展したのでした。

つまりクラシック音楽は少なからず祈りや感謝、愛、寛容、希望、勇気などの、人間の本質的な部分に共鳴するように作曲されています。そのためなのか、知らず知らずに高い境地に引き上げられていくことが多いのかもしれませんね。

たとえばバッハは平均律クラヴィーア曲集のプレリュードとフーガで、一編の詩や短編小説のように私たちの心に語りかけ、ときには生きることへの問いかけまでします。

また、ベートーヴェンは第9交響曲で「苦悩から歓喜へ」をテーマに、運命的な束縛から解放され、未来ヘ前進する様子を劇的に表現しています。

音の強弱の幅が広い

クラシック音楽の特徴の一つとして絶対に無視できないのが、「音の強弱の幅が広い」ということです。

最弱音のピアニッシシモから大音量のフォルテ・フォルティッシモまで音質・音色・音量のトーンやレベルは実に多彩で豊富なのです。このような音の強弱の幅は、ちょうど感情の起伏によって現れる人間の表情の変化に近いものがあるといってもいいかもしれません。

記号名称意味
pppピアニッシシモきわめて弱く
ppピアニッシモさらに弱く
pピアノ弱く
mpメゾピアノやや弱く
mfメゾフォルテやや強く
fフォルテ強く
ffフォルテッシモさらに強く
fffフォルテッシシモきわめて強く
fpフォルテピアノ強く、すぐに弱く
sfスフォルツァートその音だけ特に強く
sfzスフォルツァンドその音だけ特に強く
fzフォルツァンドその音だけ特に強く
強弱を表す音楽記号

調性が音楽の性格を決める

音楽には長調と短調があります。長調が明るめの音楽、短調が暗めの音楽というのは誰でも分かりますよね。

ご存知の方も多いと思いますが、長調と短調にもさまざまな調性があります。中でもクラシック音楽は調性による違いが顕著に表れやすいジャンルといえるでしょう。

長調、短調の種類も、ト短調やイ長調、嬰ヘ短調、ニ長調…など、実に24種類(長調12種類、短調12種類)もの調性があります。

たとえばポップスやCMなどでもよく使われる有名なモーツァルトの交響曲第40番ト短調。ト短調だからこそモーツァルトは突き抜けるような哀しみを表現できたともいわれたりしますよね。

下にあげたサンプルはほんの一例ですが、調性を理解するとクラシック音楽を聴く面白さはグンとアップするといっていいでしょう!

調性サンプル

ト短調 Gminor 澄み切った境地。哀愁が漂う

モーツァルト:交響曲第40番K.550第1楽章

ニ短調 Dminor 崇高で劇的。素朴な響きが特徴

バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 第1楽章

ハ長調 Cmajor 明るく満面の笑みを浮かべるようなイメージ

モーツァルト:ピアノソナタK.545 第1楽章

これらの調性は色彩のグラデーションや色のイメージにたとえることもできるでしょう。同じ長調、短調でもまったく違った印象を受けるのはそのためなのです。

クラシック音楽の作曲家たちは、調性による作品の雰囲気づくりや色彩感、情感などを構想に入れながら作曲を進めていくのです。

誰が演奏するか、指揮するかでまったく別の音楽に変わる

音楽は生き物です。アーティストから瞬間瞬間に紡ぎ出されるメッセージを受け取ることは最高の音楽体験といっていいでしょう!

たとえば同じ曲を聴いたとしても、演奏家や指揮者が変わるとまったく別の音楽に聴こえることがあります。特にクラシック音楽は違いが明確に現れやすいジャンルですね。

同じ曲を違う人が演奏したり、指揮することで、その人だけが持つオリジナリティあふれる音楽に変貌するところが他のジャンルにはない醍醐味と言えるでしょう。

作品に対する解釈の違いや表現のポイントの違いから生まれる演奏は、聴く人にさまざまな発見を与えてくれたり、作品を理解する手がかりになったりすることもあるのです!

作曲家のすべてがある

小説や絵もそうですが、クラシック音楽は作曲家が理想とする世界観や心の動きが克明に表現されています。また苦悩や絶望から這い上がる強い意志の表現であったり、魂の記録でもあるのです!

たとえばベートーヴェンは耳の病気を患っていましたが、彼が本当の意味で傑作を続々と発表したのは、「ハイリゲンシュタットの遺書」をしたためて自殺を思いとどまったときからでした。

「音楽は心から炎を引き出すものでなければならない」と語った言葉どおり、生きるということは彼にとって音楽にすべてを託すことであり、そのことが彼の生きるあかしだったのでしょう。

クラシック音楽が楽しくなるポイント

クラシック音楽は一度ハマると一生抜け出せなくなる(?)といってもいいでしょう!

作曲家の作品を追い続けるのもいいし、オペラで主役を張っていたソプラノ歌手が気になる…とか、クラリネットの素朴な音色に惹かれるとか、とにかく楽しめる要素は無限にあります。

聴いてみるとクラシック音楽って、こんなに楽しかったんだと気づかされることも多々あるでしょう!

グレゴリオ聖歌から数えると約1000年以上。やはりさまざまな形で発展してきた音楽は奥が深いのです。

きっかけは何でもいい

ともすれば「難しそう…」と思われがちなクラシック音楽ですが、聴きかたで「これが正しい」とか、「これはNG」などの決まったルールや答えは一切ありません。

同じ曲を聴いても、感じる世界は人によってまったく違います。育った環境、経験等などで心に響くポイントが変わってくるのは当然といえるでしょう。

CMで流れている「気になる曲」がクラシック音楽だったということはよくあることですよね……。そう!気になる曲を深追いしながら好きになるのも悪くないです!

また、歌手がイケメンだったり、絶世の美女がアリアを歌っていたら、そこからアーティストを追っているうちに作品も好きになったというのもいいかもしれません。

「心に刻まれるあのフレーズが何なのかを知りたい……」ということからもクラシック音楽にハマる可能性は充分にありますね!

気分で聴き分ける

私が一人にしておいて欲しいときに無性に聴きたくなる曲に、サミュエル・バーバーが作曲した「弦楽のためのアダージョ」という名曲があります。

これはアメリカ・ケネディ大統領の追悼式のときに流されて一躍有名になった経緯がありますが、心に深く染み込む名旋律ですね。

クラシック音楽はそのときの気分で聴く音楽をガラッと変えると、音楽の持つ力や良さを実感できたりするのです!

たとえばこんな感じで……。

気分を高めたいとき

シャルパンティエ:テ・デウム/オープニング部分

一人になりたいとき…

バーバー:弦楽のためのアダージョ

感謝の気持ちを伝えたいとき

エルガー:愛の挨拶

陶酔と興奮の境地を味わう!

ラヴェル:ボレロ

うれしい気分のときはこの音楽とか、沈みがちのときや一人で泣きたいときはこの音楽とか……。あなただけのさまざまなシーンやフィーリングに合う音楽を決めておいてもいいかもしれません。

そうすることで自分にとって相性のいい音楽、入りやすいジャンルが見つかるかもしれないですよね。

できるだけ生演奏に触れる

ゴッホは「ひまわり」や「糸杉のある風景」など絵画の傑作を世にたくさん残しました。またレンブラントの油絵からは言葉で表せない感動を受けたという人も少なくありません。

彼らの画集を見てそれなりに感動したり、凄いと唸ることももちろんあるでしょう。しかし実物と印刷された画集の絵とでは感動の質がまったく違います。

たとえばゴッホの「糸杉のある風景」が描かれたマチエール(質感)の迫力、タッチの鬼気迫る激しさ!空気感はやはり画集とは比べものになりません。

クラシックコンサートもまったくそれと同じです。実演で聴くオーケストラの弦の響きの美しさはやはり特別ですね!

好きな曲をライブで堪能したときの幸福感、至福の時間は言葉では言い表わせません。空気感、臨場感、奏者から伝わる息づかい……。

どんなにデジタル技術が進化しようとも、受けとれるメッセージや情報量も含めて実演の魅力は特別です。

感性が鑑賞を深める

クラシック音楽は、ときに聴く人が創作に加わっているような感覚を味わえることもあるのをご存知でしょうか?

たとえばモーツァルトの有名なピアノ曲、「トルコ行進曲」を聴いたとしますね。そして、それが大変な速さで一気に駆け抜けるような演奏だったとします。

そのとき、「自分だったらこの部分はもっとリズムを弾ませたい…」、「もうちょっと叙情的に歌う部分があってもいいのでは…」と感じるかもしれないですよね。

そのように感じることはクラシック音楽を聴き込む上ではむしろ当然だし、歓迎すべきことといえるでしょう!

演奏を聴くだけでなく、「自分はこう表現したいと思った」という感覚の芽生えが、あなたの感性を耕すきっかけにもなるかもしれないのです! 

そして作品の本質に踏み込むことで、クラシック通への階段を着実に上がっていくでしょう。

オススメ鑑賞スタイル

最近はクラシック音楽をさまざまな方法で楽しめるようになってきていますよね。

ここではどのようなスタイルの楽しみ方があるのか、「より忘れられない出会いが可能なスタイル」に絞って紹介していきたいと思います。

実演コンサート

前述したようにクラシック音楽が最高の音楽体験となる可能性が高いのは何といっても実演コンサートでしょう!

あらゆるジャンルの中で音楽配信サービスやCDなどとのギャップが一番大きいのもクラシック音楽かもしれません。

その理由としては音の強弱の幅が広いことや、調性がかもし出す独特の雰囲気、楽器の音質、ライブならではの空気感などがあげられますね。

全国各地のコンサート情報を幅広く掲載しているのがクラシック音楽情報の「ぶらあぼ」です。サイト自体も大変見やすくなっているので、これからクラシック音楽に親しみたいという方にもうってつけかもしれません。

ライブビューイング

メトロポリタンオペラハウス(ニューヨーク)

現在クラシック音楽にもライブビューイングの波が押し寄せています。特にそれが顕著なのがオペラですね!

ライブビューイングは全国の映画館で視聴できます迫力の映像と音響システムで実演さながらの雰囲気を味わえるのが魅力です。

METライブビューイング

ニューヨークのメトロポリタンオペラでは2006年から世界最高峰のオペラを、「METライブビューイング」と題して日本各地の映画館で上映しています。

10台以上のカメラであらゆる角度から撮影したデジタル映像と5.1chサラウンドによる迫力の音響システムで、歌劇場にいるかのような臨場感たっぷりのオペラ体験ができます。休憩時間の出演アーティストやスタッフへのインタビューなどは実演にはない貴重なものですよね!

LIVE VIEWING JAPAN

音楽、舞台、アニメ、スポーツなど、幅広いジャンルを網羅したプログラムで全国各地の映画館で楽しめます。もちろんオペラやクラシックコンサートもあります。

チケットが入手困難なコンサートや、地域性のため諦めるしかなかった公演が迫力の大画面と大音響で楽しめるのが最大の魅力でしょう!

音楽資料室・ライブラリー

東京文化会館(東京・上野)

音楽資料室・ライブラリーは、行けば何かしら必ず音楽との出会いがある空間です。最近は急激に音楽配信サービスが浸透してきましたが、貴重な音源が見つかったり、音楽の理解や楽しさを促してくれる何かがあるでしょう。

東京文化会館・音楽資料室

音楽の殿堂、上野の東京文化会館にある音楽資料室です。コンサートホールが近いため、コンサートの合間や終了後に資料室で作品を聴くのもいいかもしれません。

CD化されていない音源やLP、DVDが視聴できるのも貴重です。LP 39,000枚、CD 34,000枚と国内最大級の保有枚数があることや楽譜や雑誌も多数保存されているのも大きな特徴です。

東京文化会館・音楽資料室

  • TEL 03-3828-2111(火~日曜日(休室日は除く)9:00~17:00)
  • 概要 図書・楽譜・雑誌・当館のプログラム等の閲覧、CD・LP・LD・DVD等の視聴ができます。
  • 所蔵数 LP 39,000枚、CD 34,000枚、LD・VHD 1,800枚、DVD 2,400枚
  • 所在地  〒110-8716 東京都台東区上野公園5-45

国立国会図書館/音楽・映像資料室

日本最大の国立国会図書館の音楽・映像資料を収集した資料室です。音楽・映像資料室で利用できる録音資料は、1949年以降に納入された国内盤のSPレコード約1万6千枚、LPレコード約17万5千枚、EPレコード約10万枚、CD約32万枚、映像資料が約11万点利用できます。

ただし音楽ジャンルは限定されていないので、クラシックは僅かな数になるかもしれません。

国立国会図書館/音楽・映像資料室

  • TEL 03-3581-2331(月〜金 9:30-19:00/土9:30-17:00)
  • 概要   録音資料(レコード、カセットテープ、CD等)映像資料(VHS、LD、DVD、Blu-ray等)
  • アクセス 有楽町線永田町駅2番出口から徒歩約5分、半蔵門線、南北線永田町駅3番出口から徒歩約8分
  • 所在地  〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1

民音音楽博物館・音楽ライブラリー

東京文化会館と並ぶ国内最大級の音楽ライブラリー。12万点以上の録音資料、4万点を超す楽譜、3万冊の音楽書物を揃え、さらに音楽資料の出版も行う登録制の音楽図書館です。

またチェンバロやフォルテピアノ、ピアノなどの歴史を彩った楽器が所蔵されていて、それらの多くが実演で聴くことができます。18世紀制作のオルゴールや、蓄音機、世界の民族楽器なども公開されています。

民音音楽博物館・音楽ライブラリー

  • TEL 03-5362-3555(火木土 9:30-18:30/休館日9:30-17:00)
  • MAIL music-lib@min-on.or.jp(返信までお時間を頂く場合がございます)
  • 所蔵数 LP 85,000枚、CD 30,000枚、LD・VHD 1,400枚、DVD 800枚
  • アクセス JR総武線・信濃町駅より徒歩5分、丸ノ内線・四谷三丁目駅より徒歩10分
  • 所在地  〒160-8588 東京都新宿区信濃町8番地 民音音楽博物館B1

期間限定イベント

最近は日本でもクラシック音楽をあらゆる層に普及しようという動きが徐々に出てきているようですね。それがホールの特徴や開催地の特性を生かした期間限定のイベントです。

東京・春・音楽祭

桜が開花する季節に「春を祝おう」をテーマとして、東京・上野エリアを中心に毎年開催される音楽祭です。

この音楽祭の最大の特徴は上野公園内の美術館、博物館を会場に「ミュージアム・コンサート」の位置づけで約1ヶ月間に渡りクラシック音楽のコンサートが組まれます。コラボ公演や本格的なオペラの公演も随時行われています。

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO

1995年、フランスのナント発のイべント。国内外の有名アーティストによる短時間で低価格をモットーに、初心者でも聴きやすいコンサートを多数開催するのが特徴です。この試みは世界に拡大して、日本でも2005年から有楽町の国際フォーラムをメイン会場として「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭」が始まりました。

コロナ禍による3年の中断の後、2023年には「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」とタイトルを変えて開催されます。

音楽配信サービス

今はわざわざCDを再生したり、デバイスにMP3ファイルを保存しなくても、スマホのアプリで音楽配信サービスを楽しめる時代になりました。

現在楽しめるアプリだけでもSpotify、Apple Music、Amazon Music、AWA、Youtube Music…などセレクトに困るほど多種多彩です。

配信サービスの最大の特徴は音楽はいつでもどこでも身近にあり、どんなジャンルでも瞬時に聴けることですね!また検索すると関連する音楽コンテンツが候補として何種類もあがってくるので、音楽の関心が無限に拡がっていきます。クラシックも検索で探せば思わぬ名曲に巡り会えるかもしれませんね……。

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