大腸癌が徐々に増えてきているという話を、最近よく聞きます。
食生活が欧米化してきたからだとか、ストレス社会だからとか、いろんな噂が飛び交っていますね。
でも何と言っても重要なのが、自分の身体は自分しか守れないし、誰も責任を持てないということです。
実は私も一念発起、今年の春に大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けてみました!
いろいろと先入観もありましたが、一言で言えば、「受けて良かった」という感想しかありません!
そこで内視鏡検査を受けた内容をプレイバックして、検査のポイントを共有したいと思います。
検査の予約
まず最初にやらなければならない第一関門が予約です。
ネット上で良さそうな消化器内科クリニックを見つけたら、そのまま検査の予約してもいいのですが、ちょっと待ってください……。
まずは受けようとするクリニックや病院に直接出向いて、担当する先生とお話する必要がありますよね。
顔なじみの先生だったらまだしも、初めてのところだったら、知らない先生にいきなり腸を見られるのは凄く不安じゃないですか……。
また先生の人柄、病院の雰囲気や、混みぐあいなどをあらかじめ確認しておいたほうが絶対に当日慌てなくていいからです。
消化器内科を受診
私が大腸カメラを受けたのは、お腹の張りが気になって消化器内科を受診したのがきっかけでした。
そのときに先生から「大腸カメラは受けたことありますか?」と聞かれ、「ないです」と答えました。
すると、「お腹の調子が気になるようでしたら一度検査したほうがいいかもしれませんね」と言われたのです……。
このひとことが無性に気になり、「うーん、そうかやっぱり受けたほうがいいのかな」という気持ちがこみ上げてきて、おもわず「受けます!」とつぶやいていました。
すると先生が「50歳過ぎたら、ポリープの一つか二つはあると思ったほうがいいですよ」と、さらりと仰ったのです。
「そんなものなのか…」、「これは内視鏡検査を絶対に受けないといけない」と、その想いはますます強いものになりました…。
1日休暇をとって予約
大腸カメラ検査は「午前中だけ休めばいい」とか、「午後だけ休んで検査を受けよう」とならないのが、ちょっとつらいところですね……。
なぜかというと、検査を受けるまでの準備がある程度必要ですし、万が一のために時間にゆとりを持っていたほうが絶対にいいからです。
私が検査日に病院に到着したのが11時半で、終わって病院を出たのが15時頃(胃の内視鏡もありました)。自宅での準備を入れると約7時間はかかっています。
もちろん病院のシステムや手順によっても時間はかなり変わるでしょう。しかし、いろんな状況を想定して、1日フリーの日をあてるのがいいかもしれませんね。
内視鏡検査キットを受けとり帰宅
内視鏡検査を受ける意思表示をすると、看護師さんに別室カウンターに案内され、そこで検査の日程を決めることになりました。
土日は、検査が3か月先までいっぱいのようで、これは早い段階で諦めるしかなかったです。
私は比較的時間が取れそうな、3週間後の平日午後12時半で予約を入れてもらいました。もちろん1日を検査に使うという前提ですね…。
その後、看護師さんから検査用のキットを手渡されました。検査当日に服用する錠剤と洗浄剤です。
また、検査前日の食事の注意に関する説明書と、検査日に持参する問診票や同意書も手渡されました。
この同意書にはポリープが発見されたときに切除するか、そのまま放置するかという大切な項目も含まれているので、必ず目を通してチェックを入れなければなりません。
検査日前の準備
前日の食事は20時まで
皆さん、ご想像でお分かりかと思いますが、当然のことながら、大腸カメラの前日は食事制限と食事が摂れる可能な時間も決められています。
基本的に前日の食事は20時までに済ませなければなりません。もちろん当日の朝も食べられませんよんね。
前日の食事
検査に向けて大切なのが前日の食事です。とにかく消化がいいものを食べるようにしましょうね!
大事なポイントは胃の中に残る時間が短い食べ物にすることです!
油分の多い肉料理や揚げ物は検査前日は避けたほうがいいでしょう。
こまかく刻んだものや、やわらかく煮て水分を多く含んだものが消化しやすいため、おかゆや柔らかく煮たうどんなどがおすすめです。
食べていいもの
お粥やうどんなどの柔らかく煮込んだものや、すんなり消化吸収される炭水化物のような食べ物がいいでしょう。
粒や果実などが残らないジュース類もいいと思います。水分はたくさん摂ったほうがいいでしょう。
食べないほうがいいもの
普段は身体にいいとされる食物繊維を含んだ食べ物ですが、大腸カメラ検査を受ける前日は避けたほうが無難です。
とにかく繊維質や葉物の野菜(キャベツ、レタス、小松菜)、種のある野菜などは避けましょう。
また脂質の多いお肉や乳製品も食べないほうがいいですね。
検査当日
大腸カメラを受ける人が、一番嫌な行程だと忌み嫌う(?)ものの一つがお腹を空っぽにすること(下剤を飲んで便を全部排出する)です。
検査は12時半からだったので、11時半頃に家を出れば12時過ぎに到着予定です。
それでは病院の検査がどのような状況だったかを見ていきましょう!
以下は検査当日の概略です。
90分かけて洗浄剤を飲む
洗浄剤はなぜ飲まないといけないのかといえば、胃腸を可能な限りまっさらな状態にしなければならないからです。
仮に腸に便が残っていたり、溜まっていると正確な検査ができなくなる可能性があるからです。
まずは前回受け取った錠剤の「プルゼニド」2錠をコップ1杯の水で飲みます。
飲み終わったら約10分後にいよいよ洗浄剤を飲み始めます。
4回めで透明に変化
洗浄剤はマグコロール散というビニールの袋に入った粉状の結構な量のものです。粉状の薬剤に水を入れてよく振りながら、1800mlまで増やします。
あらかじめ注意を受けたのが、「3、4回に分けて90分ぐらいかけて飲んでくださいね」ということでした。
私の場合は少しずつコップに分けながら、4回で飲み干せましたね。スポーツドリンクのような味で飲みにくさはまったくありません。
看護師さんから事前に言われていたのは、便が黄褐色から透明に近い状態になったら病院に来てくださいというものでした。
本当にこんなに透明に近い状態になるのか…。と不安でしたが、結果的には4回目くらいでそれに近い状態になったので、いよいよ病院の検査に向けて出発です。
病院到着。順番まで待つ
約10分ほど電車に乗り、検査時間の約15分前に目当ての病院に到着しました…。
受付で検査の時間を確認したら、そのまま待合室でしばらく待ちます。
待合室には患者さんが多く、ソファの約7割から8割が埋まっていました。
決して大きい病院ではないのですが、先生は的確に診断してくださるし、最新鋭の設備と綺麗な院内、わかりやすい説明やスタッフさんのケア体制など、細かなところに配慮が行き届いていて、かなり気持ちがいいです。
口コミの評価が高いのもわかるような気がしますね。
検査着に着替え。麻酔
順番が来て名前を呼ばれると、検査着に着替えて控え室で待ちます。5、6分ほどしたら名前を呼ばれて、いよいよ検査室に移動です。
検査台で横になる前に、看護師さんから喉の奥に向けてシュシュっと3回ほどスプレーをしてもらいました。
これがきっと麻酔だったのでしょう……。そのときはこんなに早く効き目を発揮するとは想いもしませんでした。
当日は胃カメラも同時に予約していたので、先生が口からカメラを入れ始めました。
あっという間の検査!?
胃カメラは正直苦手です。
入ってしまえば何でもないのですが、嫌なのが最初と最後の喉を通るあたりの違和感ですよね。
必ず「オエッ」と出てしまいます…。今回も喉元で同じような症状が出ると、先生から「唾は飲み込まないでくださいね」と言われたので、「ハイ!」と答えました。すると……。
「○○さん、○○さん」と看護師さんの呼ぶ声が……。「一体どうしたんだろう」、「次は何があったのかな」と思っていたら。
「もう終わりましたよ」と一言。
「えっ!ウソー」
正直なところ、眠っていたというより、記憶が飛んでいたという感覚です……。
胃カメラだけでなく、大腸カメラ検査も終了しているので、間違いなく所要時間は30分を超えているでしょう。
それなのに検査そのものをまったく覚えていないし、終わったことすら信じられない状態です…。
改めて麻酔の効果の凄さに驚くとともに、痛い思いや違和感を感じずに無事終了したのは「ありがたい」の一言です。
診療後のようす
休憩スペースで休息
検査が終わって40分以上が経過したのでしょうか。
スタッフさんに別室のカウンターに案内されて、そこで休んでおりました。ぼーっとしながらくつろいでいると、スタッフさんがハーブティーとフルーツタルトを運んでくるではありませんか♪
ほっと一息……。検査の大変さを忘れるうれしい出来事でした。
もしかして、この日一番の癒やしの時間だったかもしれませんね。
一段落ついたら待合室に移動します。
検査の説明を受ける
改めて待合室で待っていると、名前を呼ばれました。先生が検査の状況や説明をしてくださいます。
まずは胃のほうから。「軽い食道裂孔ヘルニアはありますが、ピロリ菌は見つかりませんでしたね」と一言。
ちょっと安心しました。
そして大腸のほうの結果ですが、何やら大腸の全体図にペンで文字が書かれているようです……。
ポリープ切除を知らされる
やはりポリープは見つかりました!
ポリープは上の図のように4箇所で発見されています。
もちろん最初の要望どおり、すべて切除していただきました。横行結腸で5ミリが1つ、下行結腸で2ミリと5ミリの2つ、S字結腸で6ミリが1つと計4つが見つかったわけです。
皮肉にも先生が言われていた「50代以上の人は1個か2個は必ずありますよ」という言葉が証明されたような形になりました。
もちろんこれは内視鏡検査を決心したから見つかったわけで、症状がないからということで何年も放置していたらどうなったのかと思うと、ちょっとゾッとしますね……。
検査結果の確認
「無事に検査が終わった!」と安心したいところですが、もう一つ大事な確認があります!
それは、ポリープが良性だったのか悪性だったのかということを確認することです。
診断には1か月ほどを要するとのことで、その頃を目処に病院に電話をしてほしいと言われました。
これはとても大切なことで、面倒でも絶対にしなければならないことです。仮にポリープ切除が済んでも悪性の場合はその後の対処がまったく変わります。
ですので、忘れずに「病院ヘの確認」をスケジュールに入れておきましょう。
まとめ
大腸内視鏡検査は準備も大変ですが、検査自体も大変です。でもそれをやる価値のものだと思えば、気持ちもずいぶん楽になるかもしれませんね。
以下、今回のポイントになります。
①検査日は必ず一日空けるようにする。
②前日の夜の食事は20時までに終える。
③繊維質の食事は避ける。
④消化吸収の良いものを食べる。
⑤検査当日は時間に余裕を持って準備する。
⑥洗浄剤は決められた容量を、決められた時間で飲むようにする。
⑦焦らないで便が透明になるのを確認する。
⑧検査時間の15 分から30 分前には病院に到着する。
⑨ポリープが発見された場合、後日連絡をして腫瘍か非腫瘍かの確認をする。