3年にもおよぶコロナウイルスの大流行は私たちの生活観、価値観まですっかり変えてしまいました。
この期間は風邪で熱があると発熱外来扱いになるため、病院に行きたくても行けないし、距離を置くようになった人は少なくないのではないでしょうか……。
ますます病院が遠い存在になってしまったという人も少なくありません。
長引く不況と患者数の減少。それに輪をかけたコロナ禍の災難。病院を取り巻く環境は年々難しさを増しているように思えます。
そんな状況下で患者と真剣に向き合う病院もあるかと思えば、利益優先でなりふり構わずビジネスに徹する病院もありますよね。
ビジネスに徹するなら徹するでいいのですが、あまりにも患者を軽視した医師や病院も散見されて残念です。
今回はこれまでの自分の体験も踏まえながら、同じ失敗はしてほしくないという想いから、診察を受けるべきでない危ない医師と病院の特徴を自分なりにあげてみました。
医療はビジネスなのか?
ビジネス至上主義は弊害を伴う
「医療はビジネスだ」と断言すると本気で怒るお医者さんや医療関係者もいるかもしれません。
しかし本来診療は経験と技術に裏打ちされていることに加えて、患者とのコミュニケーションが要求される高度なサービス業の一つでもあると考えられるのです。
診察を受けていると、患者は医師から決断や同意を促されることがあります。
つまり患者と医師の関係は信頼や安心を仲立ちとして、重要と供給のバランスで成り立っているともいえるでしょう。この信頼や安心の柱が崩れると医療は一気に空中分解してしまいます。
問題は行き過ぎたビジネス至上主義に陥ることです。収益をあげるために本来やるべきことを疎かにしたり、患者にしわ寄せがいくことはあってはならないことなのです。
病院の見極めが大切
人間の身体は一つしかありません。そのかけがえのない身体を預けるということは、極端に言えば誤診や失敗は許されないということになります。
何より大切なのが医師と患者のコミュニケーションと信頼関係でしょう。今や医師の腕が良ければ何をやっても許されるという時代はとうに終わりを告げました。
医師が「身体を診てあげる」時代から、患者が「病院や医師を選ぶ」時代に変化したのです。もちろん患者のために心血を注ぐ素晴らしい医師もたくさんいます。
しかしあまりにも多い医療ミスや医師の不正行為、血の通わない診療……。ニュースに出る問題はほんの氷山の一角かもしれません。私たちは適切に病院や医師を見極めていかなければならないのでしょう。
見分ける7つのポイント
次にあげる7つの項目は私が実際に受診して「これはないだろう…」とショックを受けた内容です。初診で終了したり、診察を途中断念したのは言うまでもありません。
該当する項目が多ければ多いほど敬遠したほうが無難なのは間違いないでしょうね。
診察室が雑然としている
期待を寄せながら訪れた病院の待合室や診察室がどうも落ち着かない…と感じたことはありませんか?
「何だか雑然としてる……」
診察室が雑然としてるのは患者に気を使ってない証拠です。乱雑さはそのまま診察にも表れ、いずれ誤診を引き起こす温床にもなりかねません。
私もこれまで雑然とした診察室、待合い室で診察を受けたことがありますが、良かったと思ったことは一度もありません。
患者さんが不安を抱えながら診察を受けに来ているわけですから、安心できるスペースを提供するのはとても大切なことだと思うのですがね……。
診察室が雑然としているのは
- 診察室、待合い室が雑然としてるのは医師の気持ちのゆとりがない
- 細かなところに配慮が行き届かない
いつも空いている
20数年前に発熱と寒けで都内の個人経営の内科医院を訪れたときのことです。
待合室に入って驚きました……。平日の午後3時頃だったと思うのですが、誰も患者さんがいないのです。受付に少しご高齢の女性スタッフが一人で立っていましたが、びっくりした様子でこちらを見ていたのが印象的でした。
だいたい患者さんがたくさんいても不思議ではない時間帯に誰もいないというのはさすがに不安になりますよね……。「よわったな。大変なところに来ちゃった」と思いましたが、もう後の祭りです。
初老の男性の先生にみてもらいましたが、案の定、診察のほうも「風邪ですね」の一言だけで、飲み薬をもらって終わりです。
結局処方された薬では治らず、後日訪れた内科医院で点滴を投与されてすぐに回復しました。
いつも空いているのは
- 診察が住民から信頼されていない
- 医療に対する情熱や思いが希薄
一方的に話をする
一方的に話をして、患者さんの事情をあまり聞かないお医者さんも意外にたくさんいますよね…。
事情をわかって欲しいのにそれを受けとめてもらえなかった患者さんの失望感はとても大きいものがあります。「この先生だと難しいかもしれない……」おそらくその後の診療にも大きな壁となって立ちはだかることでしょう。
しかも話に耳を傾けないだけでなく、「こうすれば良くなる」、「ちゃんと指示に従ってもらえば大丈夫」と、自分の都合のいい条件や要求を患者さんに認めさせようとするのです。
診察は患者の状況をくわしく知るところから始まります。患者の話にしっかりと耳を傾けないで適切な治療ができるはずがありません。
一方的に話をするのは
- 医師があらかじめ治療計画を決めていて、そのレールに乗せようとする
- 患者のことよりも医師の事情を優先している
説明があっさりしている
何か嫌なことがあったのかなと心配するほど不機嫌な表情で診察するお医者さんがいます。またつっけんどんに話をするお医者さんもかなりの割合でいます。
それはいいとしても……、順番が回ってきたのはいいが、数分でまたたく間に説明が終わったという話が少なくありません。
流れ作業のようにあっさりしていて、気持ちが伝わらない診療をするお医者さんは要注意です。診察中最初から最後まで患者と視線を合わせないお医者さんも同じですね。
また治療をする際も「なぜその治療が必要なのか」などのように、患者が納得できる説明は当然必要になるでしょう。
説明があっさりしているのは
- 患者に真剣に向き合おうとしていない
- 患者との信頼関係を築こうとしない
手術をすすめるが、危険性を説明しない
ちょっとでも悪いところがあると、「手術を視野に入れて治療しましょう」という先生がいます。
でもちょっと待ってください。その手術は本当に必要なのですか?
身体にメスを入れるというのは、実は大変なリスクを伴うものです。できれば手術をしないで治したいと思うのがすべての患者さんの本音でしょう。
仮に手術をすすめる場合でも、手術の危険性や手術をしない場合の危険性、合併症の有無、他に選択肢がある場合は、その治療法と手術方法のメリット・デメリットなどについて患者に理解を得られるようにていねいに説明すべきとされています。
症状や治療の状況を充分に説明していないのに、軽々しく手術をしましょうと口にするお医者さんは要注意です。おそらく手術をして治すという以上に何か他の目的があるのかもしれません。
先生の口調の真剣度や患者を思って伝えているメッセージなのかどうか、その真意を見極める必要があるでしょう!
手術をすすめるが、危険性を説明しないのは
- 手術をすることで長期的な診療対象の患者として確保できる
診療明細書が発行されない
データ管理が徹底されてきた今、診療明細書は必ずといっていいほど精算時についてくるもの。しかし、中には診療明細書が発行されない驚くべき病院もあります。診療明細は患者が当然知るべき権利のものなのに……。
診療明細書(兼領収書)が発行されないということは、おそらく保険治療範囲内では経営が成り立たないため、水増し請求を行っている可能性が大きいといえます。
診療明細書が発行されないのは
- 水増し請求を行っている可能性がある
- 明細を開示できない理由がある
病院のHPがない
現代の情報化社会においてHP(ホームページ)は病院のようすや情報をキャッチする顔であり、貴重な情報源です。
しかも病院の数が増え、診療形態の多角化が進む中でHPを持たないというのはあり得るのでしょうか……。それとも完全に埋もれることを想定しての一種の策略なのでしょうか。
仮にHPが存在するとしても、電話帳でも調べられる情報のみで、まったく掲示板の表示や更新履歴がないサイトは信用できませんよね。
病院のHPがないのは
- 知らせる情報がない
- 病院としての実績、信頼がない
注意すべき4つのチェックポイント
先にあげた7項目ほどではありませんが、やはり診察を受ける上では少々問題ありの注意すべき項目です。
診療科目が多い
患者の数を増やすために、専門でもない診療科目を増やす病院は意外と多いですよね。
先生が掛け持ちだったり、専門ではない先生が診察するケースもかなり見られます。原則的に医師の専門科目は自己申告制の日本。
どんな名称にしようと看板を掲げたとしても基本的には問題になりません。総合病院でもないのにやたらと診療科目が多い病院は注意が必要でしょう。
診療科目が多いのは
- 患者を多く集められる
- 自己申告制度のため専門外でも診察
患者を見下す・脅かす
どんなに腕が良くて適切な診療を行うお医者さんでも、患者を見下したり、脅かすような態度をとる人は要注意です。
おそらく自分が主導権を握って、自分のペースで診察を続ける(患者には文句を言わせない)のが目的なのでしょう。
ただし最初は良くても診察を受けるたびに患者のストレスが増大して、次第に来院するのが苦痛になってしまいます。また何か認識の違いが生じたときにトラブルのもとになりかねません。
それでなくとも患者は不安やリスクを抱えて来院しています。よけいな不安やストレスを与えないで、寄り添った診察が必要なはずなのですが……。
患者を見下す、脅かすのは
- 自分が主導権を握って、自分のペースで診察を続けるため
- 患者によって態度を変える可能性大
受付が無愛想
最初に病院を訪れるときに必ず行かなければならないのが受付です。そのときスタッフが無愛想だと、とても残念な気持ちになりますよね。
受付はひとことで言えば病院の顔です。イメージを大きく損なうことは避けられませんし、それだけで診察を受けるのが嫌になったりします。
何より基本的なスタッフの教育が充分になされていないのが問題です。受付の教育がなされていないのは患者の気持ちが理解できないのと、患者を軽視しているのと一緒と考えてもいいでしょう。
受付が無愛想なのは
- スタッフの教育がされてない
- 患者の気持ちが理解できない
- 患者を軽視している
事前に保険適用の話をしない
保険適用外の治療が多い歯医者さんに多いパターンです。
インプラントやブリッジ、特殊加工などの歯の治療は保険適用外となることが多いですよね。その費用も結構な金額になる場合も多く、患者の負担はかなりのものになります。
通常は歯医者さんから事前に保険適用治療と自費治療に分けて説明があるはずです。しかし意外と説明がなく治療が進んでしまう場合もあるのですよね……。
思わぬ高額の請求をされて慌てないようにするためにも、HPで自費治療の料金が明確に表示されているか確認するなどして歯医者を選択すると安心かもしれません。
事前に保険適用の話をしないのは
- 自費治療で高額請求があるため
まとめ
いかがだったでしょうか?
ここにあげた内容は決してお医者さんや病院を批判するためではなく、できれば改善して欲しいという切なる思いを抱いて書いたものです。
指摘したことは、「あたりまえのこと」と思われるかもしれません。しかしあたりまえのことを普通にやっていくにもとても労力と努力が入ります。
改めて医師と患者のコミュニケーション、信頼関係は診察が良好に行われる上で絶対に欠かせない大切な要素だということが分かっていただけたのではないでしょうか。
医師・病院と患者が良好な関係を築けるようにお互いに歩み寄る気持ちも必要なのかもしれませんね……。