近い将来スマホは唯一無二の価値を提供する端末へ大変身か?

iPhoneの画期的な登場以来、スマートフォンが生活に溶け込んでから十数年が経とうとしています。

その間、実にさまざまな形でアップデートしながら進化してきましたよね。現在スマホはこれ以上考えられないくらい使い勝手や機能、速度、データ保存容量なども格段にブラッシュアップされてきました。

でも、スマホの真価が問われるのはこれからです。まだまだこれで終わりじゃありません。進化と大変身の余地を充分に残しているのです。なぜ大変身する可能性があるのか、ご紹介していきましょう!

目次

携帯電話は万能端末ヘ

21世紀未来予想図のテレビ電話

昭和ちびっこ未来画報 ぼくらの21世紀
(青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)より

かつて昭和の時代に「21世紀の未来がどうなっているのか」を占う特集がよく新聞で組まれたり、本も数多く出されたりしたものです。

その中に必ずといっていいほどあったのが「テレビ電話」ですね。当時は相手の顔を見ながら話ができるというのが夢であり、画期的だったのでしょう……。

しかし後に実用化のメドが立ってから、顔が見えるのはセキュリティの面からもよろしくないし、第一に対人恐怖症の人は話ができなくなると一気に熱が引いてしまいましたね……。

通信機器から便利ツールへの変貌

まずは携帯電話の進化の歴史を簡単に振り返ってみましょう。

STEP
1987・携帯電話の普及
1990年NTT携帯電話事業のポスター

NTTが携帯電話サービスが開始した1987年の1号機「TZ-802型」に続き、1989年に発売された携帯電話「TZ-803型」。重さはなんと640gほどもありました。実用的には現在と比べるべくもなく、連続通話可能時間も約1時間でした。

STEP
1995・携帯とPDAが独自に進化
Motorola RAZR V3i
Apple Newton MessagePad

日本では携帯電話とPDA(携帯情報端末)が独自に成長し、発展してきた歴史がありました。携帯電話は通話とメールのみの通信機器。PDAはビジネスに必要な情報を補完する端末だったといえるでしょう。

STEP
2007·iPhone登場。スマホ革命

現在のスマホの原型は言うまでもなく2007年に開発されたAppleのiPhoneからでしょう。当時iPhone3の登場は大きな衝撃でした! 操作性、視認性、ガラケーはもちろん、他のスマホに比べても圧倒的な優位を誇っていたのです。

STEP
2008·GoogleがAndroidを投入。
スマホ市場の競争が激化

今やスマホは「電話をする」という連絡手段のツールから、万能のお役立ちツール、エンタメツールに変わったことを痛感します。20世紀の未来予想図でも、電話が電話という範疇を超えて、まさかここまで進化するとは思わなかったでしょうね……。

スマホ人口の急増

NTTドコモ モバイル社会研究所(2023年調査)

スマホを所持する人が2010年にはまだ4%前後だったのが、その後着実に利用者を増やしているのが分かります。

2023年には何と携帯電話を利用する人のほぼすべてに等しい96%が使用しています。これを見てもスマホがどれだけ便利で生活には欠かせない必需品になってきたことがお分かりいただけるでしょう!

スマホの魅力・メリット

まずはスマホの魅力とメリットについてざっくばらんに見ていきましょう。

1台ですべてが完了

スマホの最大の魅力はあらゆる機能が1台に集約されていることです。これがどれほど便利でありがたいかは言うまでもありません。できないことがないのでは……と思うほどスマホ1台ですべてが完結しますよね!

PCや他の端末を起動させることなく、場所や時間など気にせずにスマホのみで用事が完了してしまうのも最大の魅力といえるでしょう。

Web閲覧・検索がラク

最近調べ物をする時、あなたは何で検索しますか? 一昔前であればPCと答える人も多かったでしょう。でも今は圧倒的にスマホでしょう。

何といっても、いつでもどこでも気軽に検索できるというのが大きいですよね。旅行先や移動中など、思い立ったときにすぐに検索・閲覧できるのが何より魅力です。

仕事に重宝

スマホで仕事が出来ないというのは、すでに過去の話になりつつあります。

もちろんPC上で作業をするように快適な作業を実現するのは難しいですが、外出先や出張中などでPCが使えない場合にデータを確認したり、簡単な修正であれば充分に対応できますよね。

WordやExcel、パワポなどはモバイル用のアプリが充実しているし、Adobeのグラフィック系アプリも一般用に対応したものが続々と公開されています。

カメラ撮影機能

スマホが登場して以来、カメラの撮影機能もiPhone、Android双方ともに目覚ましい進化を遂げています。かつて携帯で撮影した写真はインスタントカメラに比べても画質が劣ると揶揄されていましたが、今では一眼レフに迫る機種も登場し始めています。

手ぶれ補正や夜景モードはもちろんのこと、望遠ズームや最大100倍までズームができる機能など、カメラ性能の充実度は目を見張るものがありますね!

SNSでの交流や投稿が頻繁な今、カメラ性能の向上は必須条件なのでしょう。静止画だけでなく、動画も標準でクリアな画質で録画できるのはうれしい限りですね。

予約が簡単

病院、美容室、エステ、映画・演劇、コンサートなどの予約やチケットの購入が面倒な手続きなく、スマホひとつで完了するのは本当に便利です。

電話をかけなくても予約が瞬時に完了するのは店側にとっても客側にとってもありがたいことです。遠方から駆けつけたり、電話でやり取りする手間や気づかいは結構大きいですからね……。

エンタメが楽しみ放題

スマホの楽しみの一つとしてエンタメデバイスとしての魅力は絶対的といっても過言ではないでしょう。特に次の3つはスマホの楽しさを大きくクローズアップしていますね!

サブスク動画視聴

TV series and movies streaming app on mobile phone with wireless earbuds on table

Netflix、Amazonプライムビデオ、Disney+など、洋画や邦画などの映画、国内、韓流ドラマなどの動画視聴はレンタルからサブスク(定期契約サービス)の時代に突入しました。

つまりスマホ1台さえあれば好きなコンテンツがいつでも見られるようになったのです。どこでも場所を選ばずに見られる手軽さは、やはり最大の魅力ですね。

ゲーム三昧

最近は電車の中でゲームに興じる人が増えてきました。また隙間時間にゲームをやる人も少なくありません。ちょっとした気分転換にはうってつけなのかもしれませんね。

サブスク音楽鑑賞

かつてはAppleのiPodのように音楽ファイルを端末にダウンロードして楽しむのが一般的でした。

しかし今はその手間を省いて、音楽コンテンツそのものを月額契約制で楽しむスタイルが定着してきましたよね!

コミュニケーションが簡単

少し前までは情報交換や連絡の手段はメールの送受信がメインでした。しかしSNSの急速な普及で今やコミュニケーションのメインは完全にSNSに移っていますよね。

特にLINEやX(旧Twitter)はやりとりがシームレスです。リアルタイムでそこに相手がいるかのような臨場感で対話ができるのが何より便利です。

オンライン通販・買い物の決済

Amazonや楽天などのオンライン通販サイトをはじめ、ネット上の決済システムは今やすっかり整い、連携や決済がスムーズなのもスマホの大きなメリットの一つでしょう。

交通機関の定期券として

現在は交通定期券のSuicaやPASMOがスマホアプリとして完全対応していますよね。

Google prayやApp storeなどでアプリをインストールすればカード型を使用している人でもいつでも切り替えはOKです。鉄道やバスがストレスフリーで乗車できます。

スマホのデメリット

依存症になる可能性

スマホは中毒性が高いです。特にゲームのプレイや動画視聴、Web閲覧はクセになる可能性が高いですね。

それは持ち運びやすさや手軽さなどのスマホならではのメリットがことごとく仇になってしまうからです。移動中もずっと見入ってしまう可能性が高く、就寝前まで手放さないことも珍しくありません。

姿勢が悪くなる

ストレートネック

最近、猫背の人が急増しているともっぱらの話題です。その原因となっているのが、年がら年中、スマホにかぶりつくように見ている姿勢にあるようですね……。特に頭部が肩より前に突き出た状態のストレートネック(スマホ首)の人が多いことに気づかされます。

トラブルの原因になる

スマホの閲覧やゲームのプレイなどに夢中になってしまうと思わぬ事故に巻き込まれたり、人とのトラブルのもとにもなりかねません。特に歩道を歩いてるときや電車やバスに乗る時など、他の行動を優先しなければならないときは危険度がぐっと増してしまいます。

紛失・置き忘れが情報漏洩の原因に

スマホに個人の機密情報がぎっしり詰まっていることを思うと、置き忘れや紛失は情報の漏洩や不正に利用される危険が高まります。

デメリットを避けるには

スマホを使うルールを決める

使わない時間を決めたり、「通勤時間はスマホを触らない」、「朝はスマホを極力見ない」など、自分でスマホを使用するルールを決めてしまいましょう。急に減らすことは出来なくても、生活の節々で「見ない」、「触らない」シーンを作ると、それだけで気持ちにゆとりが出てきたりします。

デジタルデトックスをする

スマホを使わないシーンを作るよりも、まったく別の自然環境が豊かなところに行って、2〜3日スマホはバッグにしまっておくようにするのもいいアイディアかもしれません。またデジタルデトックスを推奨している集まりに参加するのもいいかもしれませんね。気持ちが穏やかになったり、安心感が増したり、朗らかな気持ちが蘇ってくる人も少なくないといいます。

スマホ・今後の未来は?

私が思うに、これからスマホが担うべきなのは「唯一無二の価値を提供する」ことなのではないでしょうか。

「唯一無二の価値を提供する」ということは、これまでのアプリの便利さや快適さとはまったく質の違うものでなければなりません。

便利さや快適さは使い続けるうちに慣れてきて新鮮さがなくなるのは目に見えてます。ところが価値を生み出し、それを一人ひとりのニーズに応じたオリジナルの情報やアドバイスを提供することは、今後も増え続けることが考えられるのです。

生成AIとの連携

生成AIは2022年の11月にOpenAIがChatGPTとしてスタートさせたのが最初でした。まだ試験的な段階ですが、その驚くべき実用性は今や世界を席巻したといってもいいでしょう! その後GoogleもAndroidスマホに音声アシスタントとしてGeminiを搭載するようになります。

現在、画像生成、文字起こし、アイコン生成などの生成AIも登場して、働き方や教育など、さまざまな分野で大変革の波が訪れようとしています。今後、何かを始めようとしたら、生成AIと連携するのはもっとも有効な判断となるのでしょう。 

生成AIでスマホが生まれ変わる

生成AIがデバイスに基本性能として組み込まれ、その計算能力や情報処理能力が駆使されるようになれば、個々に応じた必要な情報や、きめ細やかなサービスの展開が可能になります。

助手やアシスタントのような役割

生成AIのシステム化でスマホは個人に特化したサービスが可能に

これまでのような不特定多数に向けた情報ではなく、個々に応じた適切で、きめ細やかなサービスが可能になるのが大きな違いです。

その鍵を握っているのが生成AIです。生成AIが個人の趣向にあったふさわしい情報を瞬時に与えてくれるようになるのも、もはや時間の問題でしょう。

それはまるであなた自身の助手やアシスタントをいつも手元に抱えている感じになるかもしれません。しかもアプリをいくつもディスプレイに表示する必要もなくなるかもしれませんね。

情報収集の労力が極限まで減少

検索や収集にはかなりの時間と根気が必要です。特に体調がすぐれないときは苦痛だったりしますよね。でも今後は願ったイメージに近い情報がピンポイントで表示されるようになるでしょう。

予約・購入がストレスフリーに

航空機のチケットやホテルを予約する際、さまざまなアプリを行き来したり、情報を収集するのに血眼になる必要はなくなります。

予約はもちろんのこと、詳細な情報、アドバイスなどの出発から空港までの時間、旅行会社、便名、現地での行動ルートがあなた好みにあっという間に提案されるようになるでしょう。

通訳なしで会話・海外旅行や出張に

海外出張や旅行は言葉の壁がコンプレックスになって、なかなか外に出れないという人もいます。そんなとき生成AIは強い味方になります。

AIから英会話をする上での改善点や学習サポートを受けられたり、アプリによってはAIと会話もできるため、自然と会話のスキルを高めることができます。会話も音声認識で瞬時に意味を読みとり、答えをアシストしてくれるでしょう。

本音を話せるパートナーに

何となく気持ちが落ち込んでいる……。元気が出ない。そんなときに生成AIがあなたの心の友になってくれるかもしれません。親しい友人に語りかけるように素直な気持ちを語りかけてみてください。

何でも話せるあなたの心強いパートナーになってくれたり、「自分は決して一人じゃないんだ」と想わせてくれたり、心の支えになってくれるはずです。気持ちや感情を読みとって、共有する生成AIは今のところ公開されていませんが、いずれ公開されるのも時間の問題でしょう。

また自己肯定感を高めてくれる強力なアシスタントになってくれるかもしれませんね。

人生の3本柱を意識したサービス

これからの少子高齢化が深刻な問題になりつつある今日、ますます重視されるべきなのが人生の3本柱に真摯に対応するサービスを提供することです。

人生の3本柱が満たされると生活の質が格段に上がる

異論はあるかもしれませんが、3本柱とは簡単に言うと上図のように、生きがい(モチベーション)、生活設計(収入)、健康に集約されるのではないでしょうか。これらは生きる上で絶対に欠かせない要素といえるかもしれません。

どれが欠けても深刻な問題になりますし、誰もが願う大切な財産といってもいいでしょう!

3大要素特徴
生きがい人生をゆとりと価値あるものにする基本要素
健康健康を維持することこそ、活動・活力の基本
生活設計生活するために必要な収入と将来の貯蓄など

必要な情報のみがきめ細やかに提供される

これまでネット上ではさまざまな雑多な情報が散乱していました。しかしこれからはその人にとって本当に必要な情報だけが集約されて、スマホ側にきめ細やかに提供されるようになるでしょう。

これら3つの柱が真摯にサポートされていくならば、自分自身について客観的に認識でき、生活面での意識の変化も急ピッチで推進されるかもしれませんね。

健康を強力にサポート

急速に高まる健康志向

2000年のコロナ禍以降、世界中の多くの人が健康を急激に意識するようになりました。多くの人が「自分の健康は自分で守る」という意識が徹底されるようになったのは間違いないでしょう。

様々な診療結果や薬の処方の種類、持病の有無などから適正にデータとして蓄積しながら、常に自分の健康状態をチェックできるシステムが常備されるようになるでしょう。

自分で病気を発見

これまで多くの人が適切な検査を受ける機会を逃したり、ためらったりして深刻な状況に陥るケースがよくありました。

これからは生成AIとの連携で、絶えずスマホがあなたの健康状態をトータルに管理し、何か異常が発生したら速やかに音声で通知してくれるようなシステムが確立されていくことでしょう。

生活設計の支援・アドバイス

日本の経済動向の見通しは決して明るいとは言えません。社員として雇用されず、非正規採用として雇われる人も年々増加しています。

高所得者と低所得者との格差も徐々に開いてきている今日、「自分にとって最もふさわしい職場は何か?」「何が将来的に安定して結果を残すことができるのか」など、そのような素朴な疑問に解決の糸口をつけるきっかけになるかもしれません。

自分の特徴や強みをアドバイス

自分の魅力や強みというものは意外と自分では分かっているようで分からないものです。しかし生成AIと巧みに連動することで自分の本当の魅力や強みが客観的に判断できるようになります。

そこから生涯つきあっていける趣味を見つけ出すこともできるでしょうし、人脈を広げていくこともできます。自分の価値を再発見するという思わぬメリットもあるかもしれませんね。

まとめ

駆け足でスマホの現状と未来の可能性を見てきましたが、いかがだったでしょうか?

スマホの現在の状況は、もうこれ以上詰め込めるものは何もないという……「お腹いっぱい」の究極のデバイスになっていますよね。しかしこれからは単なる情報の受け身ではなく、生成AIと連携されるシステムを通じて「自分を再創造する」時代になってきたのではないでしょうか?物から質への転換だと思います。それと同時に価値を生み出す時代に入っていくことを感じざるを得ません……。

もうそれが可能な時代が近づいていることを感じます。スマホの数年後の姿も見逃せませんね!

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