デザインテンプレートなるものを皆様ご存知でしょうか?
アイキャッチや名刺やチラシ、ポスター、Webメディアなどのデザインサンプルがあらかじめ出来上がっていて、デザインする際にそのままオンライン上で作業したり、アレンジして自由に使えるデザイン素材です。
もはやデザインのノウハウを解説する書籍を読んだり、サイトを眺めるのはもう一昔前のこと………。
テンプレートを使うことで、ゼロからデザインする必要がなく、スピーディーにデザインから発注までを完了できます。
デザインテンプレートのメリット
デザインテンプレートを使うといったいどんなメリットがあるのでしょうか?くわしく見ていきましょう。
作業の時短になる
まずはなんといってもこれに尽きるでしょう!デザイナーにとって作業を掛け持ちで同時進行することは別に珍しくありません。しかし納期に追われると身体が一つしかないことを呪ったり、時間が足らないことを嘆いたり……。
そんなときに助かるのが、ひととおり形ができあがってるテンプレートを使うことです。現在はグラフィック系のアプリが提供するテンプレ(以後テンプレ)、印刷会社が提供するテンプレなど、多種多様なテンプレが提供されています。
一般的にデザイナーが作業現場でよく使われる傾向のサンプルが提供されているので、これを上手く踏襲すればそれなりの印刷物が仕上がるでしょう。
ゼロから作る手間が省ける
作業の時短と同じ意味あいになるかもしれませんが、デザインを最初から作る場合、とにかく労力がかかります。
「ひらめきがあって冴えているときはいいけれど、どうも体調が今ひとつ…」「忙しくて制作モードを切り替える心のゆとりがない…」そういうときこそテンプレの出番です!
大まかなレイアウトはテンプレを使い、ポイントになる部分やこだわりたい部分だけアレンジする。テンプレならそんな使いかたができます。しかも圧倒的に省エネ、負担減になります!
初心者にやさしい
「どうデザインしていいのか分からない」、こんな素朴な悩みでパソコンの前で途方にくれる人もいるかもしれません。「デザインする自信がない」という人もいるでしょう。
その点、テンプレは初心者の方にとって親しみやすく、グラフィック系ソフトに習熟していなくても問題なく作業を進められるのです。
まったくの初心者の方でポスターを作るポイントが分からない、名刺の肩書をどれくらいの大きさで入れたらいいのか見当がつかないという人などにはとても役立つことでしょう!
グラフィック系ソフトが不要
現在デザイン作業を普通にやろうと思えば必ず必要になるのがIllustrator、Photoshopなどのグラフィック系ソフト。画像を取り込んだり、トリミングしたり、切り抜きをしたり、レイアウトしたり、配色を決めたり、ロゴを作ったり……。やるべきことがたくさんありますよね。
それだけでなく、適材適所に印刷物にふさわしいフォントを使わなければなりません。それを思うとグラフィック系ソフトやフォントを含むDTP環境はあらゆるコストを削減しても減らせない必須条件といえるでしょう。
しかしデザインテンプレートは違います。仮にグラフィック系ソフトを持っていなかったとしても大丈夫です、オンライン上で普通に手を動かしていけば作業が可能なのです。アレンジする楽しさ、自分好みに変えられる楽しさは作業をすれば実感が湧いてくるでしょう!
作業の流れが身につく
デザイン上達のコツは思いを巡らせる以上に手を動かすことです。見てるだけだとなかなかスキルアップは望めません。
そんなときに有効なのがテンプレですね。特に初心者の方にとってサンプルは強い味方です。実際に手を動かすことで、どのようにレイアウトすればいいのか実感できるようになります。
ここに紹介したテンプレのサイトはほとんどが無料で作業することができますから、さまざまなカテゴリーの制作物を見て、自分なりに画像やフォントを変えてみたり、大きさや色合いなどを変えることで作る楽しさも倍増してきますよ。
POINT デザインテンプレートのメリット
- 圧倒的なデザイン作業の時短になる
- 時間がない時、ポイント的にテンプレを使って大まかなデザインを作れる
- Photoshop、Illustratorなどのグラフィック系ソフトが不要
- 初心者は、見様見真似で手を動かすことで作業の流れがつかめる
デザインテンプレートのデメリット
テンプレを使うメリットはたくさんありますが、もちろんデメリットもあります。今度はそれを見ていきましょう。
オリジナル性が乏しくなる
仕方のないことですが、出来上がっているテンプレを使うとオリジナリティはなくなります。
ですからテンプレを使用して作ったデザインは、情報だけ違う同じテイストのデータが出てきたり、人の目に触れるようになる可能性は充分にあります。あとはどの程度自分の個性でアレンジして作れるかがポイントになるでしょうか……。
細部にこだわれない
テンプレを使う場合、「デザイン作業に慣れていない」「グラフィックソフトを持っていない」「時間が限定されている」などの場合の打開策として使う場合が多いと思います。したがって細部をこだわったり、完成度を高めることはあまり期待しないほうがいいかもしれませんね。
POINT デザインテンプレートのデメリット
- オリジナリティがない
- 細部をこだわったり、完成度を高めることはできない
おもなデザイン・テンプレート
ここからは現在のところ実際に会員登録して作業できるサイトはどれだけあるのか見ていきます。以下のサイトは使いやすさと作業のしやすさに特化したサイトといえるでしょう。
ラクスル
オンデマンド印刷の第一人者的存在。オンライン上にデータを取り込むことでチラシや冊子、パンフレット、ポスターなどの印刷ができるのをはじめ、新聞折込やポスティングの印刷から配布までトータルで行えます。
日常的に印刷が多いチラシやカレンダー、ポスター、封筒などのテンプレートも幅広く準備されていて、初心者にも優しく分かりやすいサイトが好印象ですね。もちろんサイト上で完成したデータはそのまま印刷発注が可能です。
デザインAC
今やフリー素材の代表的なブランド。画像やイラスト、シルエットなどのカテゴリーに分けてフリー素材を多数扱っています。
デザインテンプレも非常に使いやすく、誰でも簡単に作業に取り組めるのが大きな特徴でしょう。ペンツールでベジェ曲線が使えたりと、グラフィック系ソフトに近い使用感で作業を進められます。
Adobe Express
Adobe社はDTPやデザイン業界では知らない者がいないPhotoshopやIllustrator、Indesignなどのグラフィック系ソフトを運営する最大手。
Adobe Expressはどちらかといえば初心者向けのアプリですが、SNS、ブログのアイキャッチやWebのバナー、動画など、何にでも対応して気軽に制作できるアプリです。
Canva
デザインテンプレートの草分け的存在。
テンプレをダウンロードしなくてもオンライン上でスイスイ作業が進められるのが大きなメリットでしょうか。
無料会員でもかなりの作業がカバーできますが、プレミアム会員になると素材やテンプレが無限に使えるのと、保存形式や透過イメージなどに対応できるのがうれしいですね!
グラフィック
ラクスルと同じようにオンデマンド印刷の盟主的存在。印刷の仕上がりが綺麗なことでも評判になっています。
デザインテンプレもカテゴリー、種類、数ともにどんどん充実してきていますね。
MiriCanvas
「デザイン生態系を革新し、手軽なデザイン文化を作る」というメッセージのもとに展開しているのが、韓国発Webデザイン編集ツール「MiriCanvas」です。作業はGoogle Chromeが推奨されています。
ユニークなのがクリエイター専用プラットフォーム「DesignHub」です。これはサイト上にデザイナー、クリエイターが新規コンテンツを提供するとダウンロードされた件数に応じてロイヤリティ収益が発生するというしくみです。
COLOR ME
お名前.comのGMOインターネットが運営するネットショップ作成専門サイト。テンプレートを選ぶだけで、基本機能を備えたネットショップがあっという間に完成。ショップ運営が初めての方でも、安心してカスタマイズできます。
無料・有料合わせて約80種類のデザインテンプレートが用意されています。短時間・低コストでショップを構築できるのが魅力です。
PIXTA
ストックフォトサービスで飛ぶ鳥を落とす勢い。さまざまなカテゴリーの素材を低価格帯でリリースし、使い勝手の良さで大好評のブランドです。
デザインテンプレはPowerpointファイルでチラシが制作できます。
テンプレート各社一覧
まとめ
ここ数年でデザインテンプレを扱うブランドは急速に増えてきた感があります。
印刷物もオフセットの時代は過ぎ去りました。もはや在庫を抱えないオンデマンド印刷があたりまえになってきたのです。
もちろん紙媒体だけでなく、Web関連、特にInstagramやYoutubeなどのソーシャルメディアの需要が急増してきたのも大きいでしょう。
ここに紹介したテンプレのブランドは、どこがいいというよりも、自分の作業スタイルに会う、しっくりくるテンプレを使うのが一番です。
まずはいろいろ試してみてください。もしかしたら思いがけないところで役に立つかもしれませんね……。