自然治癒力のポイントは副交感神経!自分で整えるシンプル習慣

「なんとなく不調…」「疲れがとれない…」と感じる時、実は私たちの体には、自分で自分を癒す素晴らしい力が備わっています。それが「自然治癒力」。

では、自然治癒力を高めるには何をすればよいのでしょうか? カギを握るのは癒しとリラックス !

そして、この力をぐんと引き出すカギとなるのが、「副交感神経」という神経なんです。

目次

副交感神経って何? ― 体を回復に導く神経

自律神経とは?

体には免疫力を維持する自律神経があります。

そして自律神経には活動モードの交感神経と、お休みモードの副交感神経があるのをご存知でしょうか?

自動車にたとえると交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキに相当します。

  • 交感神経 =アクセル
  • 副交感神経=ブレーキ

副交感神経は、私たちがリラックスしたり、ぐっすり眠ったり、美味しいご飯をゆっくり食べたりする時に、優位になる「お休みモード」の神経です。

このお休みモードがしっかり働くと、体は修復され、元気を取り戻せるようになります。

つまり副交感神経は「体を休ませて・治す」モード。このモードに入ると、自然治癒力が最大限に働き始めます!

現代人は「アクセル踏みっぱなし」〜交感神経に偏りがちな私たちの毎日

ところで、なぜ現代人は交感神経に偏りがちなのでしょうか。

私たちの日常生活にある「あたりまえ」のことが、実はアクセルを踏み続けている原因になっていることが多いんです。

「時間」と「情報」に追われる毎日

スマホやパソコンが手放せない

朝起きてすぐスマホをチェック、通勤中もSNSやニュース、仕事中はずっとパソコンとにらめっこ、夜も寝る直前までスマホで動画…。

「見る」「探す」「考える」という行為は、脳を常に刺激し、交感神経を活発にします。特に、ブルーライトは交感神経を刺激することが知られています。

「早く」「急いで」のプレッシャー

仕事の締め切りに追われたり、時間厳守に厳しかったり、電車に乗り遅れないようにと急いだり。

常に時間に追われているため、体は戦闘モードになり、当然のように交感神経が優位になります。

情報過多で脳がパンク寸前

インターネットやテレビからは、絶え間なく膨大な情報が流れ込んできます。新しい情報が入ってくるたびに、脳は処理しようと働き続け、休まる暇がありません。

人間関係や社会生活での「ストレス」

職場の人間関係やノルマ

職場で人間関係の悩みがあったり、達成すべきノルマがあったりすると、知らないうちに大きなストレスとなり、交感神経が働き続けます。

満員電車での通勤

毎日の満員電車での通勤は、人との距離が近く、音や匂いなど五感への刺激も多く、想像以上にストレスがかかってしまいます。

将来への漠然とした不安

仕事のこと、お金のこと、老後のことなど、漠然とした将来への不安を抱えていると、常に心が緊張状態になりがちです。

生活習慣の乱れ

睡眠不足

夜遅くまで起きている、寝る直前までスマホを見ている、眠りが浅いなど、睡眠の質が悪いと、体が十分に回復できず、日中も交感神経が優位になりがちです。

不規則な食事時間や栄養の偏り

カップラーメンやファストフードばかりで栄養バランスが偏ったり、食事の時間がバラバラだったりすると、体のリズムが崩れ、自律神経にも悪影響を与えます。

運動不足

体を動かさないと、血行が悪くなったり、気分転換の機会が減ったりして、ストレスがたまりやすくなります。

「アクセル踏みっぱなし」が続くとどうなるの?

交感神経が優位な状態が続くと、体は常に緊張し、血管が収縮して血流が悪くなったり、心拍数が上がったり、胃腸の働きが低下したりします。

交感神経の過剰な働きによる弊害

  • 疲れが取れない、常にだるい
  • 肩こりや頭痛
  • 不眠、寝つきが悪い
  • イライラしやすい、不安感がある
  • 胃腸の不調(便秘や下痢)
  • 冷え性

このように、交感神経が過剰に働き続けることは、ホルモンバランスの乱れ、血流の悪化、睡眠の質の低下、腸内環境の悪化などを引き起こし、結果として免疫力の低下が自然治癒力の低下を引き起こすと考えられます。

現代社会では、意識しないとどうしても交感神経が優位になりがちです。

だからこそ、意識的に「ブレーキ」である副交感神経を働かせる時間を作ることが、心身の健康を保つためにとても大切になってくるのですね。

副交感神経が働くと、こんなにすごい!

毎日の暮らしの中で、「気持ちいいな」「ホッとするな」と感じる時間を少しずつ増やしていくだけで、副交感神経は喜び、あなたの治る力をそっと後押ししてくれます。

副交感神経の働きは次のとおりです。

  • 睡眠中に細胞が修復される→ 成長ホルモンやメラトニンが分泌され、回復が進む
  • 消化がスムーズになる→ 内臓が活発に動き、栄養吸収もUP!
  • 免疫力が高まる→ 白血球の働きが活性化し、風邪をひきにくくなる
  • 心が落ち着き、ストレスに強くなる→ 脳内にセロトニンやオキシトシンが分泌される

これを見ると、日々の生活でどれほどリラックスや癒しが大切かが分かるのではないでしょうか?

難しく考える必要はありません。毎日の生活で、こんな「心地よさ」を意識してみませんか?

副交感神経を整える7つの習慣

まずは日々のちょっとした瞬間に、「あ、これって心地いいかも」と感じることを意識してみましょう。

習慣ポイント
「ふーっ」と深呼吸ゆっくり吸って長く息を吐き出す
ぬるめのお風呂38〜40℃で15分ほど入浴
良質な睡眠寝る1時間前のスマホOFFがカギ
自然とふれあう緑、風、鳥の声が脳を癒やす
おいしいを味わう咀嚼で副交感神経が刺激される
音楽やアロマ五感を刺激し「安心」を生む
感謝・笑顔・ぬくもり心のゆとりが最大の治癒力に

それぞれ7つの習慣について詳しく見ていきましょう。

「ふーっ」と深呼吸

気持ちが落ち着く深呼吸

忙しいと呼吸が浅くなりがちですが、ゆっくり息を吸って、長く吐き出すだけで、不思議と心が落ち着きます。

鼻からゆっくり息を吸い込みながらお腹を膨らませ、口からゆっくり息を吐きながらお腹をへこませてみましょう。数分でも良いので、意識して行うといいですね。

おすすめのやり方

  • 鼻からゆっくり4秒吸って、お腹をふくらませる
  • 口から6秒以上かけて、ふーっと細く長く吐き出す
  • 1分間に4〜6回のペースで3分続けると効果的

「吐く息を長く」が副交感神経を優位にするコツ!

ぬるめのお風呂

緊張がふわっとほどける癒しの湯船

お風呂は体温を上げて血流をよくし、筋肉と心をほぐす最高のリラックス法です。

ただし熱すぎると交感神経が刺激されるため、「ぬるめ」がベスト。

お風呂に入れない時でも、足湯だけでも全身が温まり、リラックス効果があります。

おすすめの入り方

  • 温度は38~40℃。時間は15〜20分。好きな香りの入浴剤や音楽をプラスすればリラックス効果倍増

お風呂の中でゆっくり深呼吸すれば効果アップ!

良質な睡眠

副交感神経がフル活動の「夜の修復タイム」

眠っている間は、まさに体が総力を挙げてメンテナンスしているゴールデンタイム。質の良い睡眠は、心と体をしっかり回復させてくれます。

深い睡眠中は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や免疫力アップが行われます。副交感神経がしっかり働くほど、質の高い眠りが得られることでしょう。

よく眠るためのコツ

  • 就寝1時間前にはスマホ・PCをオフにする
  • 寝る直前は間接照明や読書などで静かな時間と環境に
  • カフェインや夜遅い食事は控える

眠る前の「静かな時間」が副交感神経を整えるスイッチに

自然とのふれあい

【自然のリズムに癒される】

緑の中を歩いたり、鳥の声を聞いたり、風を感じたり…。公園を散歩したり、ベランダで植物を眺めたり。

自然の中に身を置くだけで、不思議と心が穏やかになるのを感じるでしょう。自然のリズムや景色には、交感神経を鎮め、副交感神経を目覚めさせる力があります。

おすすめの習慣

  • 公園を10分散歩
  • 緑の多い場所でベンチに座るだけでもOK
  • 家の中に観葉植物を置くのも効果的

自然の「静けさ」や「やさしさ」に身をゆだねましょう。

「おいしい」を味わう

【おいしく味わうとリラックス効果大】

急いで食べるのではなく、一口ひとくち、よく噛んで味わうと、消化も助けられ、リラックス効果も高まります。

「よく噛んで食べる」こともそうですが、食事をおいしく味わうことも忘れずに。ゆっくり噛んで食べることと、おいしく味わうことで、胃腸がよく働き、消化吸収もスムーズになるはずです。

やってみたいこと

  • 一口につき20回以上噛む
  • おいしく味わって食べる
  • 感謝の気持ちで「いただきます」「ごちそうさま」を

食事はただの栄養補給でなく、「癒しの時間」です。

音楽やアロマの活用

五感の刺激は癒しモードに直結

五感を使って「癒しモード」に切り替える副交感神経は、視覚・嗅覚・聴覚など五感を通じた刺激に敏感です。だからこそ、音や香りを使った癒しは効果抜群。

おすすめアイテム

  • ヒーリング音楽、自然音(川のせせらぎ、雨音など)
  • アロマオイル(ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウムなど)
  • ろうそくの炎や間接照明も視覚的リラックスに◎

香りや音は「無意識に働きかける」癒しの導線。

感謝・笑顔・ぬくもり

心の温もりが副交感神経を育む

人とのふれあい、感謝の気持ち、やさしい言葉――これらはホルモン分泌を通じて、副交感神経をぐっと高めてくれる作用があります。

おすすめの行動

  • 「ありがとう」を1日3回以上言う
  • 鏡に向かって笑顔の練習
  • ペットとのふれあいや、温もりある会話

「心のゆるみ」が一番の治療薬になることも。

まとめ

自然治癒力を高めるには、副交感神経を優位に保つことが非常に重要ということがお分かりいただけたでしょうか。

そのためにも、日々の生活の中で「リラックス」を意識し、生活の中で心身ともに休む時間を積極的にとり入れることが大切です。

今回ご紹介した具体的な方法の中から、ご自身のライフスタイルに合ったものを少しずつ取り入れ、継続していくことが、健康な身体と心を作る第一歩となるでしょう。

焦らず、ご自身のペースで取り組んでみてくださいね。

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