感性については、これまで何度かこのブログで触れてきました。ふだんの生活では「感性」について触れることはないかもしれません。
しかし、実際はさまざまなシーンで大きな意味を持つ能力の一つなのです。今回は感性を深めるには、いったい何が大切なのかをまとめてみました。
はじめに：感性って何？なぜ大切？
私たちは日々、多くの情報や出来事に囲まれて生きています。その中で、何を「美しい」と感じるか、何に「心を動かされるか」は、人によって違います。この“違い”を生み出すのが「感性」です。
感性とは、物事を感じ取る力。美しさや人の気持ちに気づく力とも言えるでしょう。
感性が豊かな人は、音楽や芸術、言葉、人の心の機微に対して鋭く、深く受け止めることができます。それは、人生をより味わい深く、そして豊かなものにしてくれる大切な資質なのです。
生活のあらゆるシーンで応用展開ができるのと同時に、人生の質が上がることにも直結するでしょう（芸術、仕事、人間関係などに良い影響）。
- 感性が鈍い⇒物事を表面的にとらえやすい。物事の理解が浅い。
- 感性が豊か⇒物事を深く感じとれる。美しさや人の気持ちに気づく。
ポイント
- 感性が豊かだと、人生の質が上がる。
感性を磨くために必要な「経験」とは？
感性を磨くには「経験」が必要と言われます。また場数を積み重ねることも大切だと言われます。それはどうしてなのでしょうか。
感性は、知識だけでは育ちません。書物を読むことも大切ですが、何よりも自ら体験することが感性を育てる大きな原動力になります。
つまり、現実の世界で五感を使って味わう「経験」が必要なのです。
実際に見る・聞く・触れる・動くことの大切さ
たとえば、旅行を思い浮かべてみてください。
異国の地を歩き、見たこともない風景を目にし、聞き慣れない言葉に耳を傾け、知らない食べ物を口にする。そんな体験は、自分の「当たり前」がくつがえされ、新しい価値観が芽生える瞬間です。
それが、感性を大きく刺激してくれます。あるいは、美術館に通って作品をじっくり鑑賞することも、感性を磨く訓練になります。
最初はよくわからなくても、何度も足を運び、時代背景や技法を知ることで、だんだんと「見る目」が養われていきます。
人から聞いた情報や、一般的な価値観だけで物事を判断したり、納得するのは危険だし、受け売りにしかなりません。自分で実際に見たり、体験することが感性を拡げ、磨くきっかけにつながります。
旅行先で異文化に触れる→ 固定観念が崩れ、感性が広がる。
美術館に通う → 見る目が変わり、細部に感動できるようになる。
ポイント
- 知識だけではなく、五感を使った「体験」が大事。
- 実際に見て・聞いて・触れて・動くことの重要性。
感動が感性を飛躍的に高める理由
感動がなぜ感性を飛躍的に高められるのかについて見ていきましょう。
感動は心を揺さぶり、記憶にも残る
経験に加えて大切なのが「感動」です。感動は、心を強く揺さぶられる体験。それは、ただ見た・聞いたというレベルではなく、深く心に刻まれるような出来事です。
たとえば、生演奏で音楽を聴き、思わず涙があふれた経験はありませんか？その瞬間、音楽はただの音ではなく、自分の感情と強く結びつきます。こうした感動が、音楽に対する感性を飛躍的に高めてくれます。
また、人との対話も感動を生む大切な場面です。誰かの言葉にハッとさせられた、何気ない一言が心に残った──そんな出来事は、共感力や人間理解を深め、自分の内面を豊かにしてくれます。
①生演奏で涙した経験 → 心に深く刻まれ、音楽の感じ方や感動の質が変わる。
②親密なコミュニケーション → 共感力が高まり、人間理解が深くなる。内面が豊かになる。
ポイント
- 感動体験は「感受性」のバロメーター。
- 感動は心を揺さぶり、記憶にも残る。
経験＋感動の積み重ねが「感性の深さ」を作る
一度の感動や経験で感性が磨かれるわけではありません。大切なのは、「積み重ねる」ことです。
たとえば、自然の中を歩く習慣がある人は、季節の移ろいに敏感になります。空の色、風の匂い、葉の音──そうした日常の中の感動を積み重ねることで、感性は深みを増し加えていきます。
さらに、「感動する力」自体も育てることができます。忙しい毎日の中でも、ふと立ち止まって目の前の風景に心を寄せること。
食事の味わいに集中すること。誰かの言葉を丁寧に受け止めること。そうした小さな習慣が、感性をじわじわと育ててくれます。
ポイント
- 経験＋感動を積み重ねる⇒感性は深さを増し加える
まとめ
感性を磨くために、特別な場所へ行く必要はありません。日々の暮らしの中に、感性を育てる材料はたくさんあります。ただ、その小さな出来事を“感じよう”とする意識があるかどうかで、大きく変わってきます。
経験し、感動し、その積み重ねを意識すること。それが、感性を育てる確かな道です。
最後にひとこと──「感性は、生きる喜びとつながっている。だから、感じて動く日々を。」