脳科学という脳のメカニズムを解明する行動心理学が一時期話題になりましたね。
でも「脳のことは複雑すぎて何だかよくわからない」とおっしゃる方が多いかもしれません。
確かに脳は超高性能、たとえようもないくらいデリケートですが、しくみは至ってシンプルなのですよね……。
考えたり、記憶するなどの行動だけでなく、感情や意志も含めた心と身体の機能全体をコントロールする管制塔のような役割をはたしています。
今回は脳の働きと、脳と身体にいい影響を与える8つの習慣について見ていきましょう!
脳の働きと特徴
心身に与える影響
まず、脳は見たり、聴いたり、感じるなどの身体で起こっていることを情報としてすばやくキャッチします。その情報を分析して身体に司令を送るようになります。
脳のデータ解析力は実に繊細で高性能。寸分違わず身体に送るサインは超絶的といえるかもしれません。
身体は脳がキャッチした情報をすぐに感知するようになります。
「今日は寒いな」と情報をキャッチすれば、すぐさま身体は寒さに対して身構えるようになりますよね。
また、「気持ちが落ち着くな」とキャッチすれば、あっと言う間にリラックスモードに切り替わるのです。
つまり脳は身体に司令を送るキャッチボールを絶えず行っていると考えてもいいでしょう!
脳にいい情報を記憶させる
脳は年齢とともに衰えていくと思われがちですが、決してそんなことはありません。
フルに活用して鍛えることで、記憶力や判断力といった様々な力を存分に発揮できるようになります。
また、脳は自己暗示にかかりやすい特徴があります。良いことも悪いことも情報としてキャッチするし、影響されやすいのです。
たとえば「○○さんは機転がきかないね」と言われると絶望的な心境になりますが、「○○さんは機転がきくようになったら最高なんだけどな」と言われた場合は希望が持てますよね…。
そのためには、「できない」「ダメかもしれない…」、このようなマイナス思考を記憶するのも絶対にNGですね。
否定的な情報が何度も脳に刻まれ続けると、なかなかそこから抜け出せなくなってしまいます。
逆にプラスの情報を覚えこませることで脳が活性化し、心身にいい影響が生まれるようになるのです。
前向きにとらえることを繰り返して、脳にいい情報を自然と記憶させられたらいいですね!
脳が喜ぶことをする
日々の生活が健康的に始まって、健康的に一日を終えられたらどれほど気分がいいでしょうか?
脳と心身をうまく連動できればそれは可能です。一つのことをしても2倍、3倍の効果を生み出せるのです。
それが何かというと、脳が喜ぶことですよね!
残念ながら、変化がないパターン化された作業からはそれは望めません。
たとえばプランを立てたり、考えながら、指先や身体のあらゆる部分を動員して行う家事や料理、掃除などは最たるものでしょう。
クッキングは段取りを考えながら、いくつもの調理器具を使い、指先まで神経を通わせるようになるので、脳が活性化する近道といえるかもしれません。
8つのオススメ健康習慣
毎日の生活で脳がうれしいサインをキャッチして、身体とうまく連動できれば、間違いなく心身の健康につながっていくことでしょう。
このとき、脳からは幸福感を引き出すホルモンが分泌されると聞いたことはありませんか?
いわゆる気分が安定するホルモンのセロトニン、やる気・集中力のホルモン、ドーパミン、至福のホルモン、β(ベータ)エンドルフィン、愛情と信頼のオキシトシンがそれです。
以下の8つの健康習慣は幸せホルモンが存分に引き出され、脳と心身の健康に特にいいと思われる特徴を持った行動を取りあげてみました。
どれか一つだけでも意識するだけで、日常の見える景色が大きく変わってくるかもしれませんよ。
朝の散歩
朝の散歩は心身ともにリラックス効果を高めてくれます。
特に早朝の日の出の時間帯は一日のうちで最もマイナスイオンが放出されるため、心身がリセットされやすく、脳は心地よい刺激で満たされるのです。
散歩とウォーキングの兼用もいいでしょうし、音楽を聴きながら歩くのもいいでしょう。
ウォーキングは有酸素運動ですから、歩くことで血流がよくなります。そうすると、たくさんの酸素が脳に送られ、活性化するのです。
また途中で休憩したり、ストレッチをして身体を緩めるのもいいかもしれませんね!
プラス思考の言葉
言葉には不思議な力があります。
言葉は生きているし、感情が伴って、その人の人生に影響を与えます。
そんな大切な言葉をどのように使い、どのように生活に取り入れるかで、脳のパフォーマンスもまったく違ってきます。
私たちは喜びの瞬間に、思わず「やったー!」「最高」「うれしい」「ありがとう」などと叫んだり、口にしますよね。
先ほど脳はいい情報も悪い情報も記憶するといいました。
日々の生活で、うれしいときに口にするプラス思考の言葉をよく使うようにしましょう。これが習慣として定着すれば、1日のパフォーマンスは激変します。
自分は幸運だと意識し、思うようになると、まるで行動も変わってくるし、人間関係も次第に改善し、人生が好転してくるのです。
リラックスできる時間を持つ
リラクゼーションは心を癒やし、気持ちを切り替えるきっかけになります。
乾いた心を補う方法のひとつが五感のいずれかを満たすことですね。
感覚や感性が満たされると確実に脳が喜び、活性化します。
季節の食材を味わう。香りを楽しむ。美しい音楽に耳をそばだてる……など。
五感をねぎらうように感性を優しく満たしてみましょう。
絶えず新しい事に挑戦
絶えず新たな何かに挑戦し、チャレンジすることは可能性の扉を開くチャンスにつながります。人間的な成長も促してくれます。
生活がパターン化すると心身の機能や細胞が劣化するとも言いますよね。
脳も身体も馴れてしまっているため、新鮮な感動やワクワク感が薄れていきます。知らない間に錆びつきが始まる前兆なのかもしれません。
しかし失敗を恐れず、新たなことに果敢にチャレンジすることは脳の活性化につながります。
もちろんそれだけではありません。新しいことにチャレンジすることは、さまざまな出会いや発見、気づきも生み出してくれるのです。
移動時間、待ち時間の読書
読書は感性や創造性を深め、豊かにしてくれます。
なぜなら文字情報を通して著者の培った思想や感動体験、心の動きを追うようになるからです。
もちろんテレビや映像を通して伝わる情報はあります。ただし、視覚で感知する情報は見える範囲に限定されてしまいますよね。
それを思うと文字情報から得られるものは極めて多く、情景を思い描いたり、深く心に刻まれていきます。
電車やバスの移動時間、診察の待ち時間などの隙間時間を有効に利用するのがオススメですね。
入浴後、就寝前のストレッチ
就寝前のストレッチは1日の疲れをリセットするだけでなく、心地よい眠りに就くためにとても有効です。
日中のストレスやハードワークなどで自律神経の交感神経が優位になったまま眠ると、疲労を翌日に持ち越すことになりかねません。
身体を緩めることは心を緩めることにもつながります。
そのためにも身体を緩ませるストレッチを取り入れるのは、筋肉疲労を軽減するだけでなく、副交感神経のバランスをとる上でもオススメです。
軽い運動を兼ねた掃除
部屋が散らかっていたり、荷物が部屋を所狭しと占領している状態は見栄えが良くないだけでなく、精神衛生上もよくありません。
掃除は部屋を綺麗にするだけでなく、気持ちを整えるためにも有効です。
そして忘れてならないのが掃除の運動効果です。掃除は時間を決めて効率的にやろうと思うと、無駄のない動きと集中力が要求されます。
掃除が終わったあとの達成感や、軽い運動にも劣らない運動効果があなたの気持ちを満たしてくれるでしょう!
旅行時、休日のスケッチ
スケッチがなぜ脳と身体にいいかというと、誰しも描くことが気分転換やストレス解消になるからなのです。
幼い子どもたちが鉛筆やクレヨンを持ったら、思いっきり落書きしますよね!
理屈はそれと同じことです。
たとえば屋外で描く場合は、外気を浴びながら描写したい場所を選んで描くことで大いに気分転換になります。
しかも閉ざされた部屋の中でなく、休日の公園や旅行で訪れた風光明媚な場所を描くのは心身の癒やしになりますね!
まとめ
いかがでしょうか。
脳は知的な思考だけでなく、感情を伴い、人間の心身の状態をコントロールする絶対的な器官だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
脳が喜ぶ生活をすること。そしていい情報、プラスの情報をどんどん脳に記憶させていきたいですね!
①脳と身体の関係
◎脳は心と身体の機能全体をコントロールする管制塔のような役割
◎身体は脳がキャッチした情報をすぐに感知する
◎脳は自己暗示にかかりやすい→良い情報を徹底的に刻み込む
◎脳が喜ぶ生活をするのが成功ヘの近道
②脳がうれしいサインをキャッチ→幸福感を引き出すホルモンが分泌。
◎朝の散歩
◎プラスになる言葉
◎リラックスの時間を持つ
◎新しい事に挑戦
◎移動時間、待ち時間の読書
◎入浴後、就寝前のストレッチ
◎軽い運動を兼ねた掃除
◎旅行時、休日のスケッチ