皆さんは散歩をすることありますか?
こんな質問をすると、「ウォーキングじゃないの?」と答えが返ってくる場合もあります。その気持ちは何となく分かりますね……。
おそらく「健康管理やダイエットのためウォーキングには励むけど、散歩をしている暇はない」ということなのでしょう。
でもブラブラと歩く散歩の効果もなかなか捨てたものじゃありませんよ……。ここでは散歩をするメリットや魅力について見ていきます。
時間に追われる人にこそ必要
それでは散歩について改めてウォーキングとの違いや魅力について見てみましょう!
散歩とウォーキングは違う
現代のようにこれだけスマホが普及して生活に定着してくると、往々にして分刻みでスケジュールを入れている場合がありますよね。
便利にはなったけれど気持ちにゆとりがなくなったという方も多いのではないでしょうか。そんな方にオススメしたいのが散歩です。
「散歩⁉」「散歩するなんて時間の無駄だよ」とおっしゃる方も中にはいるかもしれません……。でも散歩は私たちの生活に「ゆとり」と「豊かさ」も提供してくれます。
さて散歩とウォーキングの違いです。似てはいますが、性格がかなり違いますよね。
ウォーキングは健康増進やダイエットなど、一定の目的を持って行われますが、散歩はこれといって目的はありません。
ただひたすらあてもなく、気の向くまま、足の向くまま歩いたり、道草をしたり、休んだりするのが醍醐味なのです。
種類 | 散歩 | ウォーキング |
目的 | 無目的でブラブラ歩く | 健康維持やダイエット |
メリット | 気づきがある。心身のリセット | 有酸素運動になる |
歩く速さ(1km) | 15分 | 10分 |
自分と向き合う時間
人は基本的に同じところにじっとしていると気が滅入ってしまいます。だから「旅に出る」、旅行をするという習慣がいつのまにか身についたのかもしれませんね……。
どうやら、ちょっとずつでも環境が変わったり、変化があるほうが人間の気性に合っているようです。
散歩は気が向いたときにふらっと出歩いたり、あてもなくブラブラと川辺や公園に佇んだり、ウィンドウショッピングをしたり、行きつけの街を散策したりと、自分のペースで回れるのが魅力ですね!
まさに時間に追われず、常識や慣例に一切とらわれず、自由気ままにのんびりと街並みや自然の景観を感じながら歩くことで、自分を見つめ直すこともできるのです!
散歩のメリット
散歩はウォーキングとは違うと言いましたが、それではどんなメリットがあるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう!
続けやすい
散歩の最大のメリットは、続けやすいということに尽きるでしょう。
散歩は身体への負担が非常に少ないため、「私はどうも運動オンチで」という人でも、「ウォーキングをするほどじゃない…」という人でも気軽に始められます。
街角散策でもいいし、季節の草花の発見でもいい……。方法は何でも構わないし、誰でもすぐに始められ、何人でもできるので、継続しやすいのが特徴です。
最高の気晴らし
散歩にはこれが「定番」というスタイルは一切ありません。ただブラブラと気が向いたところへ行ってみたり、歩いたりすることに意味があります。
一見時間を無駄にしているようですが、そうではありません。
日々のルーティンからは決して得られない、「気持ちのゆとり」を実感できるし、「非日常」を味わうことで最高の気晴らしにもなるのです。
ストレスの解消
ひたすら歩き続けることで、不思議とストレスが軽くなったことはありませんか?
たとえ目的地がなくても歩き続けることで気分が楽になったり、スッキリすることは多いのです。太陽の光を浴びながらリズミカルに歩いたりすると、ストレスに対して効力がある脳内神経物質のセロトニン(幸せホルモン)の分泌が促されます。
セロトニンの分泌が増えると気分が安定し、リラックスした状態を保つことができるでしょう。
どうでしょう? たまにはあてもなくのんびり歩き続けるのもいいかもしれませんね。
睡眠の質をあげる
散歩をすると目に入る風景に癒やされたり、自然音を聞いて心が穏やかになり、脳がリラックスしやすくなります。 また太陽の光を浴びることでセロトニンの分泌が促され、自然とストレスも緩和されていきますね。
散歩をすると心地よい疲れとともに自律神経の働きが促され、スムーズに熟睡することができるでしょう。特に幼児は散歩すると夜はグッスリ眠れるようになります。それが健やかな成長にもつながっていくかもしれませんね。
気づきがある
穏やかな日差しが気持ち良かったり、何気なく歩いているときに気になるお店を発見したり、街路樹の木の葉が色づいていたり…。
散歩をするとふだん気づかないものに気づいたり、さまざまな発見があります。
仕事で机に向かっているときは思うように名案が浮かばないのに、土手に散歩に出かけたら、突然アイディアが降り注いできたということも数知れません……。やはり何も考えないで無意識な状態で歩いているのがいいのかもしれませんね……。
入院患者、高齢者でも続けられる
散歩は長期間入院中の病院の患者さんや高齢者の方にも良い効果をもたらします。
特に入院患者さんは毎日わずかな時間だとしても外に出ることで気分転換になります。外気に触れるだけで気分が開放的になり、前向きになれるでしょう。
また毎日10分から20分ほど太陽の光を浴びるだけでも、身体にビタミンDが生成されるといいます。ビタミンDは認知機能やうつの改善、免疫力アップにも効果があるため、入院患者さんや高齢者の方はぜひ外に出てゆっくり歩いたり、深呼吸をしたらいいかもしれませんね……。
感性が育まれる
意外に思われるかもしれませんが、散歩は「感性を磨く宝庫」と思って間違いありません。
外気に触れることが新鮮な空気を全身に浴びることになることはもちろん、光や風、空気、気候、季節の風物詩、街角の雰囲気、すれ違う人など……。
すべてが歩くうちに脳に記憶され、吸収されます。そしてそれは感性となって育まれていくのです。
とりわけ幼児の散歩は五感を刺激し、発見が多いです。季節の表情や植物や生き物に触れることで脳が敏感にキャッチし、感性も育まれますよね。
さらに街を歩くことで社会のルールを学習することにもつながります。
散歩をより効果的にするには
ライフスタイルに合わせる
散歩が一日のうちで最も効果が上がるのが早朝の時間帯です。
可能であれば自然のエネルギーが最高潮になる日の出の時間を目安に散歩できれば最高ですが、実際はなかなか難しいかもしれませんね……。
時間帯 | メリット | デメリット |
早朝 | ●脂肪が燃焼しやすい●体内時計がリセットされやすい | ●起きてすぐは身体に負担がかかる |
昼 | ●体温が高いので身体が動きやすい | ●昼食後は胃腸に負担がかかる |
夜 | ●成長ホルモンの分泌を促し疲労回復効果 | ●就寝前は交感神経が優位になるため避ける |
そんなときは朝起きてから10分から20分の散歩をするといいでしょう。体内時計のリセットや、自律神経の切り替えをスムーズに促し、一日が健やかにスタートできるはずです。
また昼から午後にかけて散歩する場合は、昼食後を避けて午後2時から5時くらいの間に実行するのがいいかもしれません。ただし真夏の場合は熱中症対策も必要でしょうね……。
夜は比較的時間が取れる人が多いでしょうか。成長ホルモンが分泌されやすく、心地よい疲れで深い眠りに誘ってくれそうです。
表にあげた時間帯ごとのメリット・デメリットはあくまでも目安です。まずはご自分の歩きたい時間に歩いてみるのが一番ですね。
無意識にぶらぶら歩く
ウォーキングと違って、散歩は外の空気を吸うところにも大きな意味がありますよね。
「気づきがある」というメリットで説明したとおり、頭の中を空っぽにしてブラブラと歩くのが一番です。外気を浴びながら、頬を撫でる風を感じて、季節の恵みや今ここにいる喜びを全身で感じながら歩くと最高でしょう。
すると身体の内側からエネルギーが湧いてきて、些細な心配事は頭の中から消えていくかもしれません。
また、心身がリラックスすることでふだん見えなかったものが見える、気づかなかったことが気づくようになるでしょう。
毎日続ける
散歩はできれば毎日行うのが理想ですね。
歩く習慣を身につけるだけで生活にちょっとした張りが出てきますよ。身体のバランスも次第に整うようになり、体質改善も望めます。また様々なものに触れ、体感することで、ストレス発散やリラックス効果にもつながるでしょう。
とは言ってもまったく無理する必要はありません。歩くのはあくまでも御自分のペースで。通勤・通学の途中下車でも構わないし、道草を食うのを散歩ととらえてもまったく構いません。要は楽しく、まったりとできることこそがベストなのです。
気分が上がる場所を歩く
どうせ散歩するなら、気分が上がる場所がいいに決まっています。誰でも歩いていて気分がスッキリする場所ってありますよね。
近くに自然の豊かな場所があれば行ってみたらいいでしょう。また公園や、草花が見られるところ、四季折々の風物詩を感じられるところ、鳥や虫の声が聞こえる場所を選ぶのもいいかもしれません。
歩いてもさほど疲れない、億劫に感じない場所こそ、あなたにとって間違いなく相性のいい通りであり、散歩道です!
まとめ
いかがだったでしょうか?
散歩はのんびりと自分のペースで実行できるので、密かな愛好家も多いと聞きます……。続けていくとその楽しさ、魅力にすっぽりハマってしまい、逃れられなくなる人もいるらしいですね……。
「気持ちにゆとりがない」、「時間に追われる…」、そういった感覚が強い今こそ、散歩の面白さ、魅力をもっともっと突き詰めていっても良かったのかもしれません。次に紹介するときはさらに散歩の魅力をもっと深く掘り下げてお伝えしたいですね!