クリエイティブはふだんよく耳にする言葉ですよね。
クリエイティブというと大抵の人はデザイナーやイラストレーター、エディーター、作曲家、演奏家などのように創作に携わる人のことと思いがちです。
もちろんそれは間違いではありません。けれどもクリエイティブという言葉の持つ意味にはとても幅広い側面があります。
特にクリエイティブ感覚、クリエイティビティ(創造性)の考え方は、あらゆる分野で適用できるでしょう!
クリエイティブな感覚を持てば、生活にメリハリが生まれるし、味気ないと思った毎日がみるみるうちに変貌します……。
それではクリエイティブ感覚や発想とはいったいどういうものなのか、どういう効果が生まれるのかをみていきましょう。
クリエイティブとは?
クリエイティブとは直訳すれば「創造」です。もはや説明するまでもないでしょうね。
モノをつくる、生み出す、無から有を生み出すということは日常であたりまえのように行なわれていますが、これは冷静に考えてみたら凄いことですよね。
それではクリエイティブとは、おもにどのような性格があるのかを見てみましょう!
イメージを形にする
クリエイティブの第一歩が、イメージをかたちにすることです。
「こうしたらいいんじゃないか…」という、ぼんやりとしたイメージは誰もが持っていることと思います。
しかしイメージを形にするのは、実はなかなか至難の業なんですよね……。どんなに素晴らしいアイディア、構想があってもそれが何らかの形で結実しないと意味がありません。
メリット、デメリットを把握しつつ、形にすることで、はじめてクリエイティブが完結することになるのです。
価値を生み出す
クリエイティブに関わる上で大切なことが、作られたモノがどのような価値を生み出すのかということです。
どんなにデザイン性に優れたマグカップを作っても、使い勝手が悪くて火傷をしたり、飲み物がこぼれやすかったら意味がありません。これでは本末転倒となるでしょう……。
一般の人は機能的に優れているものを必要としています。使いやすくてストレスが軽減されたとか、生活が飛躍的に便利になったというのが理想ですよね。
日常生活にいい効果が現れると、その効果はさまざまな形で波及し、相乗効果が生み出されます。これが価値を生み出すことになるのです。
感動を表現する・伝える
クリエイティブ作業の出発点になるのは、作ろうとするものに感動があること、強いメッセージ性があることです。
モノづくりの素晴らしさ、楽しさを感じる瞬間は、伝えたいメッセージが多くの人に歪みなく伝わること、共感してもらえることに尽きるといえるでしょう。
そのためには発信者、作り手に感動がないと、メッセージは絶対に伝わりません。漫然とモノを作っても、いつかは朽ち果て、忘れ去られる運命を辿っていきます。
クリエイティブの本質はコミュニケーションと同じです。独りよがりではなく、作るものがどのように迎えられるのか、影響を与えられるのかを意識することも必要でしょう。
クリエイティブはなぜ必要か?
クリエイティブはどうして生活に必要なのでしょうか?以下の3つのポイントに絞って見ていきましょう。
オリジナリティの創出
現代はWeb上やSNSをはじめとして、情報があふれ、その情報に振り回されやすい傾向があります。
また、情報に振り回されると、考え方や価値観が凝り固まってしまい、自分の考え方やポリシーを持てなくなってしまいます。
ライフスタイルやビジネススタイルに、新しい現象やブームが起きる時というのは、必ずといっていいほどオリジナリティあふれる発想や先見性のある物の見方ができる人によって引き起こされますよね。
従来の価値観や既成概念に引きずられることなく、柔軟なモノの見つめ方、発想ができるというのはとても大切なことです。
ちょっとしたモノの見つめ方の違い、違った角度からの発想などからオリジナリティが創出されます。
その一環なのか、日本の教育現場やビジネスシーンでも、「自分で考えて表現できる力」が重要視されるようになりました。
生活をブラッシュアップする
クリエイティブには生活を生み変える力があります。
それは暮らしを向上させる力、価値を生み出す可能性ともいえるでしょう。
難しい理論を図解にしてわかりやすく丁寧に解説することや、使いにくい家電や家具を使いやすく改良することなどは、人の気持ちに立って考えるからこそ出てくるアイディアであり、クリエイティビティです。
日常生活に潜む課題、問題などを分析しながら、どうすれば生活をブラッシュアップできるかということを考えていくことはクリエイティブの大切な要素ですよね。
人間らしい感情を呼び覚ます
「毎日がつまらない……」、「どうせ何をやっても同じだよ」こんなふうに考えていたら、本当に空虚で味気ない生活になってしまいます。
感動のない生活に慣れてしまうと、ついつい表情が乏しくなったり、目的や方向性を見失いがちになりますよね。
そんなときにこそ(そうでなくとも)、理屈や理論を超えた感動体験が必要です。誰もが言葉が入り込む余地のない非日常の感動を求めているのは間違いありません。ドキドキ、ワクワク感もそうかもしれませんね……。
まさにクリエイティブの大切なポイントが人間らしい感情を呼び覚ますところにあるのです!
それをストレートに実現可能なのがアートやクリエイティブの世界でしょう!
どんなに世知辛い世の中になっても、絵画や映画、舞台、コンサートなど真実のクリエイティブは国境や文化、時間を超え、人の心に生き続けます。
クリエイティブな感覚を養うには
日常生活でクリエイティブ感覚を養っていくにはどうしたらいいでしょうか? 次にあげる項目はあなたの感性を磨き、クリエイティビティを生活に定着することができるでしょう。
絶えずメモ、スケッチ
いつもは気に留めない身のまわりのものをじっくり観察してみましょう。そして気になるものを5分から10分ほどスケッチしてみてください。
すると、ふだんはあまり気づかなかったいろんな発見があるでしょう……。
これは思考に対し、手と目を連動させることで脳に刺激がもたらされ、情報が整理されるからなのです。
手を動かし、書き綴ることでさまざまなアイディアが浮かんできたり、モノの本質が垣間見えたりします。ぼんやりしたイメージから面白い形を見つけ出すこともできるかもしれません。
特に花や観葉植物、猫や熱帯魚、野菜、果物などの生命あるものには多くの気づきがあるに違いありません。「こんな特徴があったんだ」「面白い…」となるでしょう。
また、気になるメッセージやふと浮かんだアイディアをメモに書き込む習慣をつけることも、脳を活性化して記憶を心に刻みます。
言葉を大切にする
言葉は相手に用件が伝わればそれでいいと思うかもしれません。でもそれではあまりにも物足りないし、もったいないのではないでしょうか……。
ちょっとした言葉がけや、相手への気持ちの配慮で人間関係が深まる場合もあるし、逆に疎遠にもなってしまいます。まずは相手を一人の人間として認めること、大切に思うことがコミュニケーションの基本になります。
相手を活かす言葉や勇気を与えたり、励ます言葉は言うまでもなく……。言葉の力で希望を与えられたり、立ち直らせることも可能です。
そして感謝の想いや寄り添う言葉をあなたらしく伝えることができれば、それは立派なクリエイティビティになるでしょう。つまり言葉は人をつくり、育てるクリエイティブのひとつなのです。
論より証拠。何事も経験から
何事も経験したり、体感しないと身につきません。
たとえば「あの日本料理のお店、おいしいみたいだよ」という噂をほうぼうから聞いたとします。けれどもおいしいかどうかは自分で実際に食べてみないと判断のしようがないですよね……。
そこでお店を訪れて料理を味わい、実感してからどうかということになるのです。
人間の成長は自分自身が身をもって経験することで、そのことに対する理解や認識がなされます。実感として深く心に刻まれるようになるのです。
新しいことに挑戦する
新しいことにチャレンジするのは人としての成長を促進するだけでなく、未来を切り開くチャンスにつながります。
逆に生活がパターン化すると、知らない間に感性を鈍らせてしまいます。マンネリ化すると、脳にも身体にも悪影響が出てきます。心身の機能や細胞が劣化するともいいますよね。
感動やワクワク感を呼び覚ますには、絶えず新しいことに挑戦する気概が必要でしょう。また、「これは!」と思うことには積極的にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
昨日よりも今日、今日よりも明日という具合に、わずかであっても確かな前進をしているという実感が必要なのです。
それがクリエイティブな発想につながっていくようになるのです。
没頭できる趣味を持つ
寝食を忘れて没頭できる趣味があると、少々つらいことがあってもそれを忘れてエネルギーに変えられます。
趣味は基本的に「好きで始める」ものですよね。
「好き」を前提に行動することは、物事を進める上では絶対的なエネルギー源となり、力となります。
また「時間や場所の制約がない」ことや、「プレッシャーにならない」などの要素が重なることで、次第に自己肯定感をアップさせられるようになります。自己肯定感は自分をクリエイトする大きなポイントともいえるでしょう。
発想をプラスに転換する
発想をプラスに転換することもクリエイティブな感覚を養う(=心の成長)上で大切なことです。
たとえば訪れた美容院が特殊な構造になっていて、階段でしか昇れなかったとしましょう。誰もが「えっ?」と思うかもしれませんよね。
でもそのことに対して最終的には気持ちをどのように持っていくかが、とても大切なのです。「いやあ〜とんでもないところに来ちゃったな」で終わってしまうと成長はありません。
「ちょうどいい運動になるね」のように、プラス思考に転換できればわずかでも成長の一歩を踏み出したことになります。
他愛のないことですが、このように不条理な場面に遭遇しても、その都度プラスに転化できれば何につけて心のゆとりが生まれるようになるでしょう。
クリエイティブ意識・生活のメリット
クリエイティブな生活意識が定着すると、生活にさまざまなメリットが現れるようになります。どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
すべての行動が意味あるものに
クリエイティブな考えかたが生活に浸透すると、あらゆる出来事、行動がすべて意味あるものとして、それぞれが関係を保ちながら相乗効果を生むようになります。
衣食住や仕事、プライベートな出来事などは何の関係もないように思われがちですが、決してそうではありません。実はとても密接な関係があるのです。
より良いクリエイティブ、価値を生み出すためには、生活に起こるあらゆる出来事、行動、環境において無駄だったり、意味のないものはなく(眉をしかめるようなことも)、クリエイティブを実現するための大切な要素になります。
クリエイティブはあらゆる要素を吸い上げてこそ、本当に価値あるものとなるのです。
自己肯定感を高められる
クリエイティブな意識、生活観が根づくと自己肯定感が次第に高まっていきます。
自己肯定感が高い人はあらゆる行動が他人に左右されません。自分がどうしたいのか、やるべきこと、やりたいことがはっきりしているため、軸がしっかり確立されているのです。
現実を受け入れ、自分に忠実に自然体、等身大で生きているため、ストレスを溜めにくいともいえるでしょう
それは生活に潤いを与え、人間的な深みを増し加えることに等しいといえるでしょう。
心にゆとりが持てるようになる
クリエイティビティがあたりまえの意識として生活に定着すると、発想が豊かになり、いい意味で形に縛られたり、既成概念にとらわれなくなります。
自分に自信が持てるようになり、方向性を決めたり、自分の行動にしっかり責任を持てるようになるのです。
何よりも受け身ではなく、自分から道を切り開いたり、工夫をしたり、オリジナリティを重視するところに自己肯定感も高まっていくでしょう。
すると何をするにしても心にゆとりが生まれるようになっていくのです。
心身ともに若々しさを維持できる
気持ちが沈んで塞ぎ込んだり、日々の生活に変化がなくなると、人は知らない間に老け込むようになります。
けれどもクリエイティブな意識が強ければ強いほど、若々しい精神や身体を維持することができるでしょう。
それはフレッシュな感性、喜びやワクワク、ドキドキ感などが絶えず湧きあがり刺激となることで、新陳代謝のように心の中で循環するからですよね……。
まとめ
クリエイティブは特別なものではありません。創作をしなくても創造的な生活を送れるし、クリエイティブな意識を高めることは充分に可能です。
要は意識、心がけの問題ですね。
クリエイティブは平凡な日常、無感動な生活、さまざまな課題を克服できる唯一無二のカテゴリーといってもいいかもしれません。
それだけに今後ますます成長が期待できるカテゴリーだし、伸びしろは無限といってもいいでしょう!