アロマテラピーは人に優しい100%天然の芳香植物を使った自然療法といわれます。
そして花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮などから、自然のエネルギーや恵みを凝縮した有効成分を抽出しているのが精油(エッセンシャルオイル)です。
精油を私たちのさまざまな生活シーンで有効に採り入れれば、毎日がより豊かで素敵な環境、時間に変化していくかもしれません!
ここでは2回に分けて代表的な精油の特徴と主な効果を簡単に紹介していきますね。あなたの精油セレクト時のちょっとした参考になれば幸いです。
フローラル系
フローラルとは、ラベンダー、ローズ、ジャスミンなどのいわゆる「花」から抽出された精油で、甘く華やかな香りが幅広い人気を集めています。
リラックス効果を促すものが多く、心を落ち着けたいときに最適かもしれません。さわやかな香りのものもあれば濃厚な香りのものもある……。
フローラル系は精油によって印象は大きく変わりますが、どれもこれも唯一無二の幸福感や癒やしの時を与えてくれるのです。
ラベンダー◆Lavender
【ラベンダーの特徴】
植物について
- アロマテラピーといえば「ラベンダー」というほど、精油の代表的な香りとして昔から世界中で愛されてきました。
- エジプトやギリシャ、ヨーロッパなどでは薬効ハーブとして活用されてきました。
- 「ハーブの女王」とも言われ、ラベンダーブルーといわれる美しい青紫色と心地よいフローラル系の香りが魅力です。
- ヨーロッパではガーデニングに用いられ、花壇の植え込みや鉢植え栽培でも有名です。
精油について
- あらゆる精油との相性が良く、スムーズにブレンドされます。
- 「万能のアロマ」と形容されるように、リラックス作用だけでなく、抗菌、鎮痛、鎮静などの作用も期待できます。
- 多くの臨床試験で睡眠の質を上げ、目覚めを爽快にする効果が報告されています。
- 不安や気分が沈んでいるときなどに、メンタルバランスを整えてくれます。アロマディフューザーなどで芳香浴として活用するのもいいでしょう。
- オイルトリートメントによって日々のストレスを軽減し、免疫力を高める効果が期待できます。
ローズ◆Rose
【ローズの特徴】
植物について
- ローズ精油は、『精油の女王』とも形容され、女性の心身に働きかけて美と健康をアプローチする精油として知られています。
- 品種改良の数が非常に多く、バラの花は世界中に数万種以上存在すると言われています。
- 心を溶かすような甘く優雅な香りが印象的です。産地によって香りに微妙な違いがあります。
精油について
- 華やかで優雅な香りは、太陽の光のように心を照らし、気持ちを高め、包み込んでくれます。心が沈んでしまったり、希望が見い出せないようなときにも気持ちにゆとりをもたらし、肯定感を高めてくれます。
- 更年期のイライラや月経前症候群、産後の不調の改善など女性特有の症状や、女性ホルモンのバランスを整えるのに効果的とされています。
- 抗炎症、細胞活性化の作用があるため、肌の炎症や老化を抑制してターンオーバーを促すなど、スキンケア、特にアンチエイジング効果に優れていてます。
- 香料として多くの化粧品やフレグランスに使われています。
カモミール◆Camomile
【カモミールの特徴】
植物について
- カモミールにはジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類があります。
- ヨーロッパ産のキク科植物で、代表的なハーブの一つとして世界中で親しまれています。
- 精油としてだけではなく、優しく甘い香りのハーブティーとして一般的にも馴染み深いです。
- 精油はさわやかな青リンゴのような香りが印象的。
精油について
- 水虫の原因菌や、本や書庫などに発生するカビの原因菌を抑える殺菌作用が確認されています。リフレクソロジーや足浴などのフットケアや空気の清浄などにも広く活用できます。
- ニキビや口内炎などの炎症を抑えたり、肌の調子を整える効果が期待できます。
- 胃の粘膜に優しく作用し、消化器系の不調を改善する作用があります。胃潰瘍や過敏性腸症候群などのストレス性の疾患に効果的です。
ジャスミン◆Jasmine
【ジャスミンの特徴】
植物について
- インドや東南アジアを中心に生息する白や黄色い花を咲かせる植物です。
- ジャスミンの花から採取できる精油の量(花に対して約10分の1)は大変に少なく、希少性が高いと言われています。
- 花の収穫は7月から9月頃までの開花期に限られます。花の特性上(日没後に開花して芳しい香りを発する)、収穫できるのは早朝のみです。
- 華やかでありながら、深みのある優雅な香りが印象的です。
精油について
- 気分を前向きにし、沈んだ心、不安や恐怖感をやわらげる作用があります。
- 心身に働きかけ、身体をじんわり温める作用があります。ホルモンバランスを整えたり、更年期障害等に働きかける作用もあります。
- 新陳代謝を高める作用があるため、風邪の症状だけでなく、生殖機能や泌尿器系の働きを促す作用があります。
- 香料として多くの化粧品やフレグランスに使われています。
エキゾチック系
エキゾチック系のアロマオイルは、神秘的で個性的な香りが特徴です。東南アジアや中東の植物から抽出されたオリエンタルムードの漂う香りが強い存在感を放ちます。
非日常的な雰囲気を味わいたいときや気分転換をしたいときに気分を整え、場を演出してくれるでしょう。ヨガや瞑想したいときにも格好の雰囲気を作り上げてくれます。
イランイラン◆Ylang Ylang
【イランイランの特徴】
植物について
- おもにインドネシアやフィリピンに生息する熱帯雨林地帯の常緑樹です。樹高は通常6~10m、 大きいものでは15~20mにも生育します。
- 「イランイラン」という名前はフィリピンの言葉で 「花の中の花」を意味します。この地方の生活に深く根ざした花であり、神聖な花としてあらゆる場面で活用されてきました。
精油について
- 興奮して神経が高ぶっているときや極度の緊張状態のときに、心を穏やかにしてくれる作用があります。
- 鎮痛作用があることから、過呼吸や動悸の抑制にも働きかけます。
- 気分を高め、幸福感や希望で満たしてくれる香りでもあります。
- 血行を促進し、ホルモンバランスの異常による肌荒れや更年期など女性特有の症状を整え、緩和に役立てることができると言われています。
- 皮脂の状態をコントロールしたり、肌の引き締め効果などがあるため、肌や頭皮などのスキンケアにもおすすめです。
- 香料として多くの化粧品やフレグランスに使われています。
サンダルウッド◆Sandalwood
【サンダルウッドの特徴】
植物について
- インドの寺院ではヨガや瞑想の薫りづけとして使われてきました。緊張や不安を感じたときや、心地良く眠りたいときにおすすめの香りです。
- 日本では白檀として古くから親しまれています。扇子や香料、仏像、仏具、建築物などに幅広く使用されてきました。
精油について
- 咳や気管支などの呼吸器系の痛みや胃炎などの消炎・鎮痛効果によいとされ、古くから活用されてきました。
- 体内の血流を良くしてくれるため、冷えやむくみを改善し、熱中症の予防としても効果を発揮します。
- 穏やかで気品のある香りは、頭痛などの症状をやわらげ、不眠など神経系の不調を整えてくれます。
- 抗菌、抗酸化、抗感染作用などがあり、香りを拡散することで空間を清潔に保つことができます。また感染対策としても活用できるでしょう。
- 香料として多くの高級フレグランスに使われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アロマオイルは天然の有効成分を抽出したいわゆる植物のエキスですから、あなたの使い方次第では生涯手放せない心のオアシスになる可能性は充分にあります!
好みや気分でセレクトしたり、ブレンドしたりして、あなた好みのオリジナル精油を作るのもいいでしょうし、使い方を工夫すれば用途が大きく拡がるかもしれませんね……。