誰もが気持ちよく仕事をしたいと思っています。しかし現実はなかなかそうはいかないもの……。
何が問題なのか一つ一つ検証してみると、あるわあるわ……。いろいろなNG行動が浮かび上がってきますね。
ここではNG行動がなぜ問題なのかを検証していきたいと思います。
無意識の行動が誤解を生む
「挨拶をしない」「時間を守らない」「遅刻をする」という基本原則的なNGは誰もが意識しているので、さしあたってはあまり問題にはなりません。
問題はちょっとした慣れやおごりが災いして無意識のうちに出やすい行動が要注意なのです。
人間の習慣やくせはなかなか変わらないものですが、それが職場で通用するかといえば、まったく別問題になるでしょう。
気づいていないことが罪づくり
周囲に迷惑をかけてはいけないと行動を抑制したり、注意していることは大抵はNG行動にはなりません。自覚があるために改善しようと努力しているからです。
しかし職場で起きるNG行動の大部分は本人に自覚がありません。つまり周囲に迷惑をかけているという実感がない場合が多いのです。このような無意識、無自覚な行動の繰り返しが誤解を生み、事を荒立てる要因にもなりやすいのです。
まさに気づいてないことが罪づくりになり得るといってもいいかもしれません。
NG行動
ここでは無意識に出やすいNG行動の代表的な7つをあげてみます。もしかしたら「どうも自分にもあてはるかもしれないな」という方も少なくないのではないでしょうか……。
無愛想・不機嫌
見るからに「無愛想」という人は意外と多いですよね。
別に人に危害を加えたり、迷惑をかけるわけでもないからいいんじゃないのという人もいます。でも、それがそうでもないんです……。
個人事業主が集まって、それぞれの仕事を淡々とこなしていくという場所であるならば、おそらくそれでも構わないでしょう。
ただし、同じ方向性、目的、ポリシーを持って同じ空間で仕事をするなら、明らかに無愛想だったり、不機嫌に見える態度は作業の進捗にブレーキをかけてしまいます。
もし意思決定や決裁を受けるべき直属の上司がとても不機嫌な顔をしていたらどうでしょうか……。
作業を止めるわけにはいかないので当然指示を仰ぎますよね。「部長って、昨日何かあったのかなぁ」とか、「自分に何か非があるんだろうか」とか、いろいろと考えてしまうでしょう。
それだけでなく、「上司の機嫌を損ねてはいけない……」と、余計な気づかいをしないといけないことにもなってしまいかねません。何より問題なのが気持ちよく仕事ができないことですよね。
無愛想・不機嫌がもたらす不利益
- 仕事がやりにくくなる
- 余計な気づかいをするようになる
大きなため息をつく
まったく意識していなくても出やすいのが「ため息」。
たとえば疲れ、ストレス、落ち込んでいたり、納得できない状況などで思わずふっーと「ため息」が出てしまいます。
本人はそんなつもりじゃないのに、周囲を一気に暗い雰囲気にしてしまうのも「ため息」の罪なところですよね。
小さい「ため息」は仕方ないでしょう。けれどもあからさまに周囲に聞こえるように大きなため息を何度も吐き出すのは弊害をもたらします。
昔から吐き出された「ため息」を他の人が吸い込んでしまうと体調が悪くなってしまうと言われます。それはさまざまな負の感情やストレス、疲れなどが毒素のようなかたちで排出されるからなのでしょう……。
大きなため息がもたらす不利益
- 周囲の空気を暗くする。
- 負の連鎖で波及しやすい。
- 吸い込むと体調が悪くなる。
マイナス的な言葉
マイナス的な言葉も一気に雰囲気を悪くします。
自分だけの空間なら「仕方ないな」で済みますが、オフィスの場合はそうもいきませんね。
プラスの言葉は人を励ましたり、勇気づけたりしますが、マイナスの言葉はまったく逆です。社内の空気を暗くするだけでなく、他の人のやる気やモチベーションさえ奪ってしまいます。
しかも言葉は生きていますから、職場の空気が淀んでしまいかねません。
マイナス的な言葉がもたらす不利益
- 周囲の空気を暗くする
- 人の心を傷つける可能性がある
爪を切る
意外にやりがちなのがオフィスで爪を切ることです。
大抵は手指の爪を切る人が多いのですが、中には靴下を脱いで足指の爪まで切る猛者もいますね(^o^;) ここまでくると「やれやれ…」という感じですが、それが意外と多いのです。
爪を切るのがなぜ良くないかというと、「仕事時間中に何してるんだろう」という同僚たちの集中力を切らすことがまずあげられます。それと爪が飛び散るなどして衛生的に気持ちがいいものではないということですよね。
もしどうしても爪を切らなければならない場合は、その場を外してゴミ箱の近くで切るなり、紙に包んで捨てるようにしたらいいでしょう!
爪を切ることの不利益
- 「仕事中に何してるの」と思われる
- 爪が飛ぶなどの衛生的な問題
感情を露わにする
人間誰しも感情が高ぶったりする時があるでしょう。しかし誰しも自分の心の中でグッとこらえて冷静さを保っているのは百も承知。
問題は突然キレたり、不満を露わにして大声をあげたりすることですね。特によろしくないのが大勢の社員がいる目の前で感情を爆発させることでしょう。
間違いなくオフィス内の空気が固まり、全体の士気を下げます。士気を下げるだけでなく、社内のやりとりも妙にぎくしゃくしてしまいます。人によっては気持ちが萎縮したり動揺が起きかねません。
感情を露わにすることの不利益
- 周囲の空気が固まる
- 業務に支障をきたす
- やりとりがギクシャクする
整髪料や香水の匂い
匂いのキツイ化粧品は敬遠したほうが無難です(と言っても本人が気づいてない場合が多いのですが…)。
また、男性用の整髪料(特にヘアリキッドやヘアトニック)やオーデコロンなどの香水の香りはかなり強烈で、嫌いな人は徹底的に嫌います。
プライベートな空間や休日などであれば、決して悪くないと思うのですが、これがオフィス内ということになればまったく事情が違ってきます。
公共空間だということを意識して、できるだけ無香のものか、微香にとどめましょう。
どうしても香りがするリキッドやトニックを使いたい場合は匂いが迷惑になっていないか、女性社員などに聞いてみる必要もあるでしょう。
整髪料や香水の匂いがもたらす不利益
- 業務に集中できない。
- 気分が悪くなる場合がある。
必要以上にスマホを見る
現代はスマホが生活の重要なツールになっています。スマホが業務上必要になる場合があるし、チェックしなければならないときもあるでしょう。
しかしスマホを業務中に何度も眺めたり、見入ってしまうのは問題ありです。見入ってしまうと仕事そっちのけになる場合もあります。これでは隣の人は気になって仕方がないでしょうね……。
まずは席を外して廊下や外に出る旨を告げてチェックするべきでしょう。
スマホがこれほど生活に溶け込んでくると、ついついスマホに目が行ってしまい、のめり込んでしまうということにもなりかねません。
業務に支障が出る場合もありますので、勤務中はスマホを見ないことを徹底すべきでしょう。
必要以上にスマホを見ることの不利益
- 業務に支障が出やすい
- 仕事そっちのけになる場合も
NG行動を避けるには
代表的なNG行動の数々を見てきましたが、それではどのようにすればNG行動は避けられるのでしょうか?
目につく場所に注意書きを貼る
とりあえず効果的なのはこれでしょう。
「本人が自覚する」ことも必要ですが、何度も繰り返されるようであれば気づいてないとみて間違いないですね。
そんなときは間接的にでも、オフィスの壁に全社員に向けて注意喚起するようなかたちで貼り出すのがベストです。
特に注意してほしい内容については、太字にしたり、色を変えたり、吹き出しにするなどして強調するのも効果的かもしれません。
本人の自覚を促す
言うまでもなく、本人の自覚が一番効果的です。
本人の自覚なくしては、対策も一時的なものにしかならないでしょう。
NG行動のほとんどは「誰も自分のことを理解してない…」などのように卑屈になっていたり、意固地になっている場合が多いですよね。
そんなときには言い方に気をつけてみましょう。たとえば相手を絶対に否定しない言い方です。NG行動を起こす人にはとかく上から言ってしまいがちですが、それは逆効果です。
ではどうすればいいのでしょうか……。
その場合、相手を持ち上げながら、やんわりと警告する言い方がいいでしょう。たとえば次のような例ですね。
こうすれば、相手のプライドや自己肯定感も保てます。プラスの情報を加えることで気持ちが納得し、心身にもいい影響が生まれるようになるのです。
心を開く・自分をさらけ出す
人間誰でも欠点や弱みがあります。また知られたくないその人だけの事情があったりするものです。
そういうときは、あらかじめ話しやすい同僚に「自分はこんなところがあるから勘弁してね」と言っておくのもいいかもしれません。人は話すだけでもずいぶん心が解放されるものです。
また「おはよう」「ありがとう」「お疲れ様!」など、自然な挨拶の習慣を取り入れるのもお互いを尊重し、理解しようとすることなので気持ちが前向きになり、連帯感が生まれます。
挨拶を積極的に行うことで、心を開いていること、相手の存在をしっかりと認めていることも実感できるでしょう。
事情・意識の共有
NG行動が出やすい理由の一つとしてあげられるのが、社員の目的や意識が実はバラバラだったということもあります。
とりあえず自分の仕事さえしっかりやればあとはどうでもいい……などの「我関せず」「事なかれ主義」が横行している場合が少なくありません。
他部署でさまざまな事で困っていても「どこ吹く風」と言わんばかりにマイペースで作業するのも、ちょっと考えものですね。
また他の社員の事情を知らなさすぎることや、何が課題なのかということに関心を持たないことがネックになっていることもよくあることです。
一度は部署の垣根を超えて、同じ会社の一員として、お互いをよく知る、関心が持てるような場やきっかけを持つことはとても大切なことでしょう。
職場の風通しを良くする
職場の風通しの悪さも、NG行動を引き起こす原因になりやすいですね。
これは明らかなトップダウン体制になっていて、閉鎖的な社風の職場によくあるケースです。あまり社員の考えや意見が吸い上げられず、自由に相談したり、腹を割って話す雰囲気に乏しいことがあげられるでしょう。
風通しが悪いと当然のように社員が疲弊し、ストレスや不満が充満しやすくなります。するとNG行動が多発し、収拾がつかなくなるという悪循環に陥りやすくなるのです。
こんなときは開かれた職場にするためにも、コミュニケーションが自由に交わせる空間や場所の確保が必要になるでしょう。またグループツールのタスク管理などで業務の見える化を徹底すると、「何をしないといけないのか」が明確になり、スッキリします。
NG行動が出るのは、職場の信頼関係を再構築する絶好の機会として捉えたらいいのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
職場のNG行動は無意識に出やすいものだということをご理解いただけたかと思います。
またNG行動がエスカレートすると、個人の次元だけにとどまらず、職場全体の空気や経営のあり方にまで波及してしまうところが恐ろしいところですね。
しかしその反面、職場の人間関係を通じて成長する機会が得られるのは幸せなことなのかもしれません。